鹿児島・公衆浴場が危機 中東情勢で「部品不足」「ガス代1.5倍」営業維持が困難に
2026年5月22日(金) 16:00
460円→500円、値上げ要望の背景

県公衆浴場 生活衛生同業組合の、値上げ要望に関する会合
こうした状況は中山温泉に限らない。県内の公衆浴場が加盟する組合は、大人の入浴料を現行の460円から500円に引き上げるよう県に要望することを決めた。40円の値上げは小さく見えるかもしれないが、その背景には設備維持コストの全面的な上昇がある。
値上げ要望について、西田店長は複雑な胸の内を明かす。
「経営として考えれば値上げはありがたい話だが、お客さんが一日置きになったりとか週末だけになったりとか懸念はある」
公衆浴場は地域住民の日常的な生活インフラでもある。値上げによって利用頻度が落ちれば、経営改善どころか客足離れという新たな問題を招きかねない。
食堂の「かつおぶし」にまで波及

食堂で利用されている鰹節
温泉施設内に併設する食堂にも影響は及んでいる。6月からメニューを見直す旨の案内が店内に掲示された。食材全般の値上がりに加え、食堂の味の要となる枕崎産のかつおぶしも、中東情勢の余波を受けて手に入りにくくなっているためだ。
枕崎産かつおぶしは鹿児島ならではの地元食材であり、その調達が困難になるという事態は、地域の食文化との結びつきという面でも見過ごせない変化である。温泉に、食堂に、設備に。施設に関わるあらゆるものが値上がりし、あるいは調達困難となっている。
「過去に体験したことがない」見えない先行き

先行きの見えない不安を語る中山温泉の西田店長
西田店長は、これまでの経営危機と今回を比較してこう語る。
「コロナの時が一番きつかったけど、今回は国や行政からの補助があるわけではないし、値上げもそうだけど資材がない。私も過去に体験したことがないので、さらに下っていくきつい状況になる」
コロナ禍には国や行政からの支援策が用意されていたが、今回の物資・資材不足には公的なセーフティネットが見当たらない。経営者が孤独に対処せざるを得ない構造が、事態の深刻さをさらに増している。
先行きが見えない中東情勢のもと、鹿児島の温泉経営への影響は日々深刻さを増している。地域の日常を支えてきた公衆浴場が、この試練をどう乗り越えていくか。その行方は、利用者である地域住民にとっても無縁ではない。




















































































































