希少な戦闘機「紫電改」を引き揚げへ 阿久根の海底から「翼」が語る戦争の記憶
2026年4月3日(金) 11:00

紫電改が81年ぶりに浮上へ
鹿児島県阿久根市脇本海岸の沖、わずか約200メートルの海底に、第二次世界大戦末期から81年間沈み続けている旧日本海軍の戦闘機がある。その名は「紫電改」。世界に現存するのはこれを含めてわずか5機、国内ではたった1機という希少な機体だ。地元住民らで構成されるNPOが長年の夢をかなえるべく動き出し、4月8日、ついに引き揚げの日を迎える。
海に沈んで81年――奇跡的に残った「翼」

翼が非常にきれいな状態で残っている
紫電改がこの海に沈んだのは、81年前の第二次世界大戦末期のことだ。アメリカ軍機との空中戦の末、機体は阿久根市沖に不時着した。操縦していた林喜重大尉は戦死し、機体だけが長い歳月をかけて海底に残され続けた。
これまでの調査では、翼が非常にきれいな状態で残っていることが確認されており、紫電改の特徴でもある20ミリ機銃も確認されている。戦闘の激しさを物語る歴史の証人が、阿久根の海でひっそりと眠り続けてきたのだ。
地元NPOが立ち上がり、クラウドファンディングで資金調達

地元NPOが挑む保存プロジェクト
引き揚げプロジェクトを主導しているのは、地元住民らで組織された「北薩の戦争遺産を後世に遺す会」だ。この希少な機体を保存し、次の世代へと伝えようという思いから、クラウドファンディングなどを通じて広く資金を集めてきた。
会長の肥本英輔氏は、引き揚げへの強い思いをこう語る。
「翼が非常にきちんと残っている。全国の皆さん、若い方含めて見て欲しい」
作業の成功を祈願――現場近くの神社で神事
4月8日の引き揚げ作業を前に、3月31日には作業現場近くの神社で神事が執り行われた。引き揚げに関わる関係者らが集まり、作業の安全を祈願した。
肥本会長は「無事に機体を引き揚げて何とか成功させたいと思っている」と語り、プロジェクトの成功に向けて強い決意を示した。
81年の眠りから覚める瞬間に向けて、阿久根市の海辺は静かに、しかし確実に、その日を待っている。





















































































































