鹿児島市サッカースタジアム候補、鴨池庭球場とサンロイヤル跡地の費用差78億円を比較
2026年6月2日(火) 06:20
物価高騰という「見えないリスク」

現在の2つの候補地
もう一つの懸念材料が、物価高騰だ。今回示された整備費はあくまで現時点の数字であり、今後の物価動向や人材不足がコストにどう影響するかは織り込まれていない。
平良課長はこの点について「なかなかこれから先どうなるのか。言われるように、物価高騰、人材不足などニュースなどで把握はしているが、その影響を考慮するのは難しかったので現時点の数字として示した」と説明した。
特に建設業界では近年、資材費や人件費の上昇が顕著であり、10年後の完成を見据えると、現段階の試算が大きく変わる可能性も否定できない。
9年越しの議論、ようやく「次の段階」へ

候補地の経緯
今回の調査結果を理解するには、この問題がいかに長い道のりをたどってきたかを振り返る必要がある。
鹿児島市のサッカースタジアム整備に向けた検討協議会が立ち上げられたのは2017年のこと。以来、9年という歳月が経過している。
2019年には、鹿児島港本港区の浜町バス車庫・ドルフィンポート跡地・住吉町15番街区の3カ所が候補地として絞り込まれた。しかし土地所有者の申し出や、県が整備を計画していた新たな総合体育館との兼ね合いなどから、これらはすべて断念することになった。
続いて2023年には新たに北埠頭が候補地として浮上したが、港湾計画の改定に時間を要することなどを理由に、わずか8カ月後に白紙に戻った。そして今回調査の対象となった、サンロイヤルホテル跡地と県立鴨池庭球場の検討が進められてきたわけだ。
「使えるのは10年後」 市民にとって身近な問題として

鹿児島市議会常任委員会の会議する様子
長年の議論を経て、ようやく具体的な数字が示された今回の調査結果。数字の上では庭球場が優位であることは明らかだが、最終的な候補地の決定には市議会・県・関係団体との協議が不可欠であり、まだ時間がかかる見通しだ。
仮にどちらかに決まったとしても、スタジアムが実際に使えるのは早くとも2036年。白波スタジアムでJリーグの試合を観戦してきた鹿児島市民にとって、新スタジアムはまだ遠い未来の話ではある。しかし、候補地の選定が鹿児島の街づくりや地域の賑わいに直結するテーマであることは間違いない。
6月の市議会での論議を皮切りに、スタジアム整備をめぐる議論は新たなステージへと踏み出す。物価高騰のリスクを抱えながら、鹿児島市がどのような判断を下すのか、引き続き注目が集まりそうだ。

















































































































