「弁当箱が取れなくて廃業」 中東情勢の影響、中小企業に広がる資材高騰の波
2026年5月29日(金) 12:45

中小事業者が訴える資材調達難と廃業リスクとは
中東情勢の緊迫化に伴う資材価格の高騰が、鹿児島県内の中小企業や個人事業主を直撃している。養生テープの仕入れ価格が短期間で約2倍に跳ね上がるなど、現場では「仕事はあるが仕事ができない」という悲鳴が上がる。こうした状況を受け、約3200社が加盟する「県商工団体連合会」が5月27日、県に対して負担軽減を求める要請を行った。
養生テープが200円から330円へ 店頭に届く値上げ通知25社分

養生テープの仕入れ価格は短期間で倍増
鹿児島市小松原にある「永仮金物」は、建築資材や塗料を取り扱う店舗だ。2026年3月以降、メーカーや問屋など約25社から値上げや出荷制限の通知が相次いで届いている。中には40%以上値上がりする製品もあるという。
具体的な例として挙げられたのが、建設現場などで広く使われる養生テープだ。2025年時点で200円ほどだった仕入れ価格は現在330円まで上昇しており、今後は400円程度まで上がる見込みだという。
永仮金物の永仮哲也代表は、「『仕事はあるが仕事ができない』というお客さんの話をよく聞く。助成があると助かると思う」と語る。資材が高くて調達できず、受注があっても工事に踏み切れない事業者が現れているという、現場の厳しい実態が浮かび上がる。
加盟76社のアンケート、「影響あり」が6割・9割超が懸念

影響は「9割超」 アンケートが示す県内の厳しい現状
こうした状況の深刻さは、数字にも表れている。県商工団体連合会が加盟事業者を対象に実施したアンケートでは、76社が回答し、すでに影響があると答えたのは約60%。「今後影響がありそう」と答えた事業者を加えると、9割を超える。
影響の内容としては、仕入れや資材の高騰、調達困難、利益の減少といった回答が目立った。電気・ガス代の上昇も重なり、固定費の圧迫が経営を締め付けている構図だ。
松山忠樹会長は要請の場で、「野菜やご飯が入らないのではなくて、弁当箱が取れないということで廃業となった」と述べ、資材そのものの入手困難が廃業の直接原因になっているケースがあることを強調した。
県に求めた支援、固定費の補助も 県は融資制度と国の動向を注視

県に包括的な支援を要請(5月27日)
27日の要請では、電気・ガス代や資材価格の高騰に対する負担軽減に加え、家賃や税金といった固定費への補助も県に求めた。経営の根幹を揺るがす費用が重なる中、支援の幅の広さが求められている。
これに対して県は、2026年度に創設した中小企業向け融資制度の説明を行うとともに、国の補正予算の動向を見ながら必要な対策を検討する考えを示した。県商工政策課の浜田久美子課長補佐は、「国の補正予算も踏まえて必要な対応を検討したい」と述べた。
松山会長は要請後、「我々の団体の中にも年配の人がいる。その人たちはどうやって生活するのか、それを私たちは考えている」と語り、高齢の個人事業主を含む加盟者の生活基盤が脅かされている現実に目を向けるよう訴えた。
中東情勢という遠い地域の出来事が、鹿児島の商店街や建設現場にまで波及している。事業者の声と数字が示す状況は、県としての具体的な対応が一刻も早く求められていることを示している。



















































































































