鹿児島市サッカースタジアム構想、概算215億円の重み 北九州「ミクスタ」に見る成功と課題
2026年10月2日(金) 14:00
経済効果は11.2億円、しかし毎年1億円超の赤字

ミクスタの収支(2017年度~2025年度)
ミクスタの整備にかかった費用は100億円。スポーツ振興くじの助成金30億円を除いた残り70億円は、市の借金である市債が充てられた。
年間利用者数は21万人を目標として掲げており、コロナ禍の影響を受けながらもその数字に近づきつつある。一方で気になるのが収支だ。使用料などによる収入は約4000万円。これに対し指定管理料と土地の借地料を合わせた支出は1億5000万円前後に上り、毎年1億円を超える赤字が続いている。
この赤字を北九州市の財源で賄っている現状について、北九州市スポーツ振興課の平塚豊和さんはこう言う。「収入に対し支出がどうしても多い赤字になるが、そこは経済効果でにぎわいを見せている」。
その経済効果は具体的な数字で示されている。「スタジアムができた直後に、1年間で大体約11.2億円の経済効果が試算されている。駅周辺でも人の流れが3割くらい増えたことも効果として上がっている」と平塚さんは強調する。
市民が感じるスタジアムの価値

市民の声
ミクスタを北九州市民はどう受け止めているのか。20代の市民は「スポーツを見に行こうと集まることがあり、若い人たちも行くので重要な施設」と評価する。30代の市民は「地元のギラヴァンツを応援に行った。サッカー以外でもイベントや子供向けがあれば」と期待を口にした。
一方で厳しい声もある。80代の市民は「北九州市民が気持ちよく1歩、2歩と足を運べる『こんなのがあるから行ってみよう』とならないと、100億円もかけてもったいないスタジアム」と率直に語った。
運用開始からまもなく10年を迎えるミクスタ。その姿は、スタジアムが持つ可能性と、継続的な運営をどう成立させるかという課題を同時に映し出している。
鹿児島の計画、概算215億円の重み

鹿児島ユナイテッドFC 徳重剛代表
鹿児島市のスタジアム計画に目を戻すと、その規模はミクスタを大きく上回る。庭球場の移設費用28億円を含めた整備費の概算は215億円に上る。行政と民間がそれぞれどのように費用を負担するのか、その枠組みの構築がスタジアム実現への最大の課題となりそうだ。
鹿児島ユナイテッドFCの徳重剛代表は「応分の負担」の意向を示しながらも、こう訴える。「候補地と言われる所に整備されたら、その地域だったり鹿児島に対し、どのような波及効果やプラス面があるか、しっかりと議論がなされなければならない」。
候補地が絞り込まれ、ようやく前へ進み始めた鹿児島市のサッカースタジアム計画。巨額な建設費に加え、完成後の運営費も含めたスタジアムの全体像を明確に示すことが、今後の鹿児島市に求められる大きな課題となりそうだ。ミクスタが体現する「にぎわいの創出」と「財政負担の現実」、その両面を正面から受け止めた上で、鹿児島独自の答えを導き出せるかどうかが問われている。

















































































































