長年人気をもつ商品。
いわゆるロングセラーの歴史、そして長年人気を保つ秘訣に迫る企画です。
今回は、鹿児島のソウルフード『かるかん』について探りました。
かるかん元祖明石屋・本店
向かったのは、かるかん元祖明石屋・本店。
創業安政元年。
誕生して168年の老舗です。
しっとりとした食感、ほのかな甘みで素朴な味わいの『かるかん』は、鹿児島を代表する銘菓です。
かるかんヒストリーを話してくれるのは、明石屋の7代目、岩田英明さんです。
さかのぼること、江戸末期。
江戸で、菓子職人として島津家28代当主・島津斉彬に仕えていた八島六兵衛。
斉彬が藩主になったときに、薩摩にやってきました。
そして、安政元年に明石屋を創業。
今食べられている『かるかん』は、島津斉彬をキッカケに誕生したんです。
当時、田舎菓子ばかりだった薩摩では、六兵衛が作る江戸風の菓子はとても評判だったそう。
明石屋の由来は、初代の六兵衛が明石出身ということから付けられたそうです。
本来の『かるかん』は、餡なしなんです。
明石屋で新入社員にまず教えることは、『かるかん』と『かるかん饅頭』の違いだそうです。
そして、おいしさの裏にはやはり、こだわりが。
味には一切の妥協なし。
ロングセラーを生み出す工場に潜入しました。
かるかんは、自然薯や米粉などを使って作られています。
粘りにはかかせないという、自然薯を特別に見せてもらいました。
自然薯と合わせる米粉にもこだわりがあります。
生地が基準からずれていないかをチェック。
カタさは感覚で調整するので、しっかりと確認をしています。
こだわりの生地を100度の蒸気で、およそ50分蒸し上げれば完成です。
ロングセラーの裏側には、細かく徹底したこだわりで、おいしさを追求する姿がありました。
今では、全国でも有名な『かるかん』。
諸説ありますが、昭和48年に鹿児島で開かれた「全国菓子博覧会、鹿児島の菓子店が『かるかん』の良さを伝えて、全国に広まったと言われているそうです。
しかし、『かるかん』の製造がずっと順風満帆だったわけではなく、良い食材が入らない時は販売をやめることもあったそうです。
そうして、今日までかるかん本来の味を守り続けてきました。
ロングセラーの秘訣を伺いました。
(岩田さん)
日々改良して、常に今が最上の物であること。
かるかん元祖 明石屋
本店
住 所 鹿児島市金生町4-16
電 話 099-226-0431(代)
営 業 午前9時~午後6時
駐車場 なし