県立高校や県内の多くの市町村立の小中学校が再開して3週間が経ちました。おととい、全国でも緊急事態宣言が解除され子どもたちの学びと安全をどう守っていくかが 今一度、課題となっています。
かごニューでは再開した鹿児島市の小学校に密着。試行錯誤しながら子どもたちと向き合う教育現場の今をお伝えしました。
現在679人の児童が通う、鹿児島市広木小学校。校長先生の橋口さんは2年前に着任、同時に娘さんも通い始めました。しかし新学期が始まってわずか2週間で、国の緊急事態宣言に伴い休校に。
この休校に人一倍不安を覚えた先生が、この春先生になったばかりの3年生の担任、猪野みな美さん。ただでさえ不安な時期に追い打ちをかけたのが新型コロナウイルスです。
3週間ぶりの学校再開の日。県教委の指針に基づき常に窓を開け、2人1組で配置していた机を離すなどしましたが、「密」を避けるにも限度があります。
新任の猪野さんのクラスも授業が進んでいました。不安はあるものの休校の遅れを取り戻すため学習を進めるしかありません。広木小学校では来月から月曜日を1限増やして対応することとなりました。
児童の学びと安全をどう守っていくのか。橋口さんは苦慮していました。そのヒントは、音楽の時間にありました。
この状況でもできること、今だから教えられることはたくさんある。子供達のために、橋口さんはコロナに関する指導のための教材を作成しました。
今できることに取り組む。放課後、廊下や教室を消毒する猪野さんの姿がありました。
最後に橋口さんにこんな質問をぶつけてみました。娘さんの親、校長先生、気持ちに差はない?
「我が子を同じ学校に送り出していく中で、ふと目に見えない相手ですので、もしかしたらかかっているかもという不安を持ちながら送り出しはしてます。
自分が経営してるから大丈夫と思いながらも、100%とは言い切れない不安感ですね。」
橋口さんが口にした本音と責任。鹿児島の教育現場では不安を責務で覆い子どもたちと向き合う人たちが今も働いています。