笠利の歌うたい、村山辰浩さん。「カサリンチュ」の活動休止後、故郷で働きながらソロ活動しています。原点からの再スタート、その「始まりの季節」を取材しました。
笠利の歌うたい 村山辰浩さん
去年7月オープンした笠利町初のライブハウスの厨房に、村山辰浩さんはいました。去年活動を休止した2人組ユニット「カサリンチュ」、そのメインボーカルが辰浩さんです。「笠利の人」を意味する中学・高校の同級生ユニットは2010年メジャーデビュー。映画やアニメ、国民文化祭のテーマソングを手がけるなど数々の曲を世に送り出してきました。黙々と仕事に打ち込む辰浩さん、慣れない料理に、接客の日々です。
カサリンチュ 休止の理由
「元々タイプが違うんですよね、相方と僕って。ちょっとした意識の違いとかも実は最初からずっとあって。幼なじみのような相方なのでタイミングがきたら一緒にやれたらいいかなって思ってる」
多忙だった毎日、いつしか自分の音楽を見失いかけていました。そんな時、一緒に働かないかと声をかけてくれてくれた人が、オーナーです。
故郷で過ごす時間。ゆっくりとではありますが曲作りは続けてきました。
思い出の場所 屋仁小学校
辰浩さんに思い出の場所を案内してもらいました。母校・屋仁小学校です。
「茶圓先生っていうすごい音楽が好きでギターを弾いて皆で歌う先生がいた。歌うことの楽しさを教わった先生です」
歌うことが好きだった体育館へ。
恩師・茶圓先生からのメッセージ
「辰浩の家は民宿してたんで、当時そこにしばらく泊まらせてもらっていて。校歌教えてくれっていって。そん時歌った辰浩の声がすごく伸びるのにびっくりしたんですね。透き通った伸びのある声で。
一回きりの人生だから自分がやりたいことを、後悔のないようにやれる時やれるだけやった方がいいと私は思います。また元気で会おうや」
「この体育館に響き渡るように歌ってたんだろうなと。歌の原点がここにあると思います」
原点に帰ることは、決して後退することではない。その人は、まっすぐ前を見つめています。村山辰浩、38歳、原点からのスタートです。