
今月8日に開かれた「桜島と芸術花火2023」。
訪れた人を感動させた、圧巻の花火をお届けしました。

初開催となった去年に続き、2回目の今年は、今月8日に開かれました。

開場前、鹿児島市のマリンポートかごしまには、多くの人が集まっていました。
その全員が花火師です。

30分の1秒の単位で打ち上げられる花火。
その積み込みは、慎重に行われます。

この日開かれるのは、ただの花火大会ではありません。
「桜島と芸術花火」は、音楽のリズムや曲調にシンクロして花火が打ちあげられます。

夜空で踊るように輝く。
それは、まさに芸術です。

(花火師・相田英寿さん)
3隻の台船と陸上からの花火で、一体のきれいな花火になる。

海と陸の両方から、音楽に合わせて花火を打ち上げる。
成功させるには、わずかなズレも許されません。

そこで集まったのが、日本屈指の花火師たち、およそ40人です。

中には、オリンピックの花火を手がけるなど、世界で活躍する職人もいます。
一流の花火師の技術が芸術花火を支えています。

音楽を担当する、プロデューサーの福田信さん。
東京から来ました。

(福田さん)
この1年、鹿児島の街のことを考えてきた。
ずっと考えていた時に、出会った曲があった。
ああ、これじゃんっていう。
鹿児島の人がこんな風に生きているんじゃないかなって。

花火と音楽で鹿児島に感動を届けたい。
芸術花火に込められた思いです。

午後3時、開場。
多くの人が入ってきました。

花火の打ち上げまで、まだ4時間もあります。
実は、「桜島と芸術花火」には様々な楽しみ方がありました。
会場にはキッチンカーもいて、グルメを求めて賑わいます。

地鶏の炭火焼きに、黒豚のカツサンド。
さらに、知覧茶の新茶など、特産品がずらりと並びます。

そして、野点も。

用意された茶菓子は、花火をイメージしてこの日のためだけに作られた、特別なもの。

そして、お茶を一服。
ここでしか味わえない、貴重な体験です。

日常が突然奪われた、コロナ禍の3年間。

「みんなで一緒に花火を楽しめる」
訪れた人たちは、そんな日常が戻ってきたと、感じていました。

桜島と芸術花火2023。

始まりました。

全12曲に合わせ、花火が夜空を彩ります。

花火師たちも見守ります。

最後の曲は、先の見えない時代を生きる私たちに優しく寄り添う歌でした。

(福田さん)
最後はあの曲だったよね。
この曲はすごいなって。

1万4000発を打ち上げ、桜島と芸術花火は幕を下ろしました。