「一人で抱えすぎていませんか?」日々育児や家事に追われる女性の負担を減らすための県内の取り組みを取材。妻をサポートするため1ヶ月間の育児休業を取得した男性や、子育て中の家庭を訪問し育児や家事の手伝いをするボランティア団体の活動などを紹介します。
4月1日、南九州市知覧町に新しい子育て支援施設「南九州市子育て利用者支援センター つみき」がオープンしました。平日の昼下がり、オープンしたばかりですがたくさんの親子で賑わっていました。こうした施設は年々増加。ママ達にとっては悩みを共有できる交流の場です。というのも子育てって良いことばかりではないですよね。どんなにかわいい我が子でも、時にはイライラしてしまうもの。特に育児や家事を一人で担っていると余裕がなくなってしまうのは仕方がないですよね。
【南九州市子育て利用者支援センター つみき】
住所:南九州市知覧町郡105
TEL:0993-38-0800
1ヶ月の育児休業を取得したパパ・森満誠也さん
ママの負担を少しでも減らそうと、積極的に育児に参加している男性がいました。3歳の男の子と0歳の女の子を持つ2児のパパ、森満誠也さんです。鹿児島市役所で働く森満さん、この春、妻・麻里子さんのために1ヶ月の育児休暇を取得しました。育休に入ってから子供の世話、掃除や洗濯、食事の用意を2人で分担しています。自分の時間なんて持てるはずもなく、子供の世話と家事に追われる毎日。普段は奥さんの麻里子さんが1人でこなしていた仕事をやってみて、その大変さが初めて身にしみました。
育休を取得しておよそ2週間。森満さんが家事と育児に慣れ、麻里子さんが1人で息抜きに出かけることもしばしばです。麻里子さんがやってきたのはフリーペーパーで目にして気になっていた花屋。昔からお花やグリーンを飾るのが好きなんだそうです。久しぶりの自由時間、かわいい子供達を育てる明日への大事な活力となっています。
ママに寄り添う 訪問型ボランティア
頼れる人が身近にいないというママに寄り添う取り組みがありました。ホームスタートという家庭訪問型の支援で、子育てセンターなどを拠点に保育士やボランティアスタッフが活動しています。訪問は週に1回、2時間程度で、未就学児のいる家庭なら誰でも無料でサポートを受けられます。
この日は3人の子供を持つママから、料理をしている間子ども達と遊んでほしいという依頼がありました。ホームスタートでは家事や育児の手伝いのほか、病院の付き添い、子どものお風呂などちょっとした人手がほしい時の手助けをしてくれます。訪問するスタッフは、かつては自分も子育てを経験し、専門の研修を受けた地域の先輩ママです。子育て中はイライラしたり、落ち込むことも少なくありません。誰かに話を聞いてほしいという要望も多いそうです。
ホームスタート鹿児島の東さんにお話を聞きました。
「訪問したら、「今日大人の人と初めて話しました」と涙するお母さんもたくさんいます」
「ホームスタートは虐待の予防でもあるんです。家の中にこもっていると、どんなにかわいい自分の子でもイライラしたり。お母さんが笑顔だと子供も笑顔になれる。寄り添うことがお母さんにとってどれほど大事かというのをすごく感じます」
こちらではホームスタートを手伝ってくれるボランティアスタッフを募集しています。ご興味のある方は下記ご連絡先までお願いいたします。
【ホームスタート はらっぱらっぱ】
住所:鹿児島市緑ケ丘町5-5
TEL:099-244-1365
【ホームスタートビジター研修】
研修開始:5月9日(木)~
場所:東部親子つどいの広場 なかまっち
お問い合わせ:TEL:099-244-1365(ホームスタート はらっぱらっぱ)
ベビーシッター 加藤友美さん
ママに寄り添う人材の確保も課題となっています。ベビーシッターの加藤友美さんは、依頼者の自宅で赤ちゃんの世話を手伝ったり、託児や子供の送迎などを請け負っています。この日の依頼者は双子の赤ちゃんのママ。想像以上に大変な双子の育児を乗り越えるため、加藤さんに助けを求めました。加藤さんに来てもらってから、1時間、2時間は1人で寝たりとかできるので大分楽になったんだそう。
加藤さんが子育てしていた時代は母親だからできて当たり前という時代でした。自分と同じ辛い思いをさせまいと、ママ達を支える加藤さん。スケジュールを見せてもらうと、一ヶ月間 ほぼ休みがない状態でした。
「誰でもできる仕事ではないんだけれども、でも私も昔は普通のパート主婦だったんだけれども頑張って勉強して保育というものを学んでこういう仕事ができるようになったので。同じ仕事できる人が増えてほしいと心から思っている。」
ママを一人にしない。育児をサポートする家族や社会の優しさが、今求められています。
【ベビーシッター 加藤友美さん】
ベビーシッター料:1時間 1000円+手数料(税別)
Instagram:@katohto
メールアドレス:katohto@gmail.com