2018年は天文現象が多い当たり年。今夜見られる皆既月食や、西郷隆盛にちなんだ星、好条件で楽しめる流星群など、話題が盛りだくさん。今年の天文の見どころを渡司気象予報士が徹底解説しました。
今夜は皆既月食を楽しもう!今年の見どころも解説!
【1月31日・3つの楽しみ オトクな満月】
1月31日は皆既月食が日本全国で観測できる予定です。今回の皆既月食は非常に珍しい条件がそろった特別なものだそうです。19年に渡って天文の観測や解説を行ってきたスペシャリスト、薩摩川内市のせんだい宇宙館の館長、早水勉さんに解説していただきました。皆既月食は満月が地球の影に入って、だんだん暗くなって全部隠れてしまう現象のことです。地球を通り抜けた赤い光だけが月を照らすので、月が赤黒く見えるそうです。今回の皆既月食は1月2日に観測されたスーパームーンと同じくらいの大きさ、明るさの満月『準スーパームーン』です。そして1月31日は、1カ月のうちに満月が2回訪れる『ブルームーン』の日です。珍しいもの尽くしの今回の皆既月食は、欠けはじめは午後8時48分、皆既最大は22時30分です。実は皆既月食の色は毎回異なります。今回の皆既月食はどんな色になるのかも注目です。皆既月食は今年7月にも出現予定です。
せんだい宇宙館では1月31日に『皆既月食の観望会』を開催します。お近くにお住いの方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
時間:午後8時30分~翌 午前0時30分 申し込み不要
※宇宙館の入館料が必要になります。大人 500円 小・中学生 300円
【6~7月・種子島発 はやぶさ2が小惑星に】
小惑星探査機『はやぶさ2』は、3年半という長い年月をかけて今年いよいよ目的の惑星に到着します。2014年12月3日に種子島から出発したH2Aロケット26号機は2015年2月に地球の軌道から外れました。そして2018年6~7月に、地球から1億7650万kmも離れた小惑星『リュウグウ』に到着予定になっています。リュウグウは直径約900mの小さな惑星。 ここで未知の物質を採掘を採取し、太陽系、地球の起源を探ること、生命の元になった物質を探ることがはやぶさ2の主な目的です。11月~12月に小惑星を出発するはやぶさ2は、2020年末ごろに地球に帰還する予定です。
【7月・西郷隆盛をしのぶ『西郷星』大接近】
今年の注目は火星が15年ぶりに地球に大接近します。1877年西南戦争中に火星が地球に大接近しました。当時の市民が見慣れない赤い星、火星が明るく輝くのを見て、火星を西郷さんの星と呼ぶようになったそうです。火星の最接近は7月31日で、その前後一か月の6月下旬~9月上旬まで明るい状態が続きます。
【8月・12月 星に願いを…流星群が好条件】
今年は三大流星群の中の2つ、ペルセウス座流星群、ふたご座流星群が好条件で観測できそうです。
ペルセウス座流星群は8月13日にペルセウス座を中心に流れ星が四方八方に流れる予想で、今年は月明かりがない好条件で一時間に40~50個くらいの観測が期待できそうです。ふたご座流星群も好条件で、12月14日ごろ1時間に80個ぐらいの観測が期待できる予定です。