桜島の形をしたティッシュケース、西郷さんをモチーフにした刺繍バッジなど地元愛にあふれた作品を生み出す一人の女性がいました。彼女が名乗る職業、「パタンナー」とは?ふるさとの魅力を伝え続ける薩摩おごじょの思いに迫りました。
鹿児島モチーフのグッズを製作・四元麻理さん
マルヤガーデンズ3階にあるロフト鹿児島店。お客さんの視線の先にあるのは、鹿児島をモチーフにしたグッズ。桜島型のティッシュケースや、西郷さんをモチーフにしたバッジなど、どれも鹿児島愛にあふれています。多くの人を魅了する鹿児島グッズ。いったいどんな女性が作っているんでしょうか。鹿児島市の中山にアトリエがあると聞き、訪ねてみました。迎えてくれたのは、四元麻理さんです。
四元さんの職業は「パタンナー」。平面のデザイン画から洋服を作るときに必要となるパターンと呼ばれる型紙を作る仕事です。その他、洋服の寸法からシルエット、生地のカット方法、さらにはどんな縫い方をするかまで考えます。ファッション業界では、最終的な製品の善し悪しはパタンナーの腕次第で決まると言われるほど重要なポジションです。
鹿児島のグッズをつくるきっかけ
鹿児島生まれの四元さんは、高校で服飾の勉強を始め、卒業後は上京。東京の服飾専門学校に通ううちに、パタンナーを目指すようになりました。
卒業後は 約15年間アパレルメーカーのパタンナーとして働きました。そんな中、2011年東日本大震災がきっかけで鹿児島に戻ることを決意したんだそうです。
「あのときってほんとしんどくて、みんなしんどかったと思うんですけど。鹿児島の家族だったりとか友達とか心配してくれたりして、そういう思いが温かかったですよね。全然鹿児島帰らない年もあったのに。初めて。ふるさとってあるんだなって」
家族の大切さや、ふるさとがあることの喜びに気づいた四元さん。地元鹿児島に帰り、現在はフリーランスのパタンナーとして活動しています。パタンナーのお仕事は鹿児島でいただける仕事ではないので、東京からパタンナーのお仕事を受け、家やアトリエにこもってもくもくと作業をしていたという四元さん。せっかく地元帰ってきたのに、なんで鹿児島に貢献できないんだろうという想いがありました。地元鹿児島を盛り上げたい。その想いから、明治維新150年を記念した商談会の参加をきっかけに鹿児島のグッズ作りを始めました。
地元愛にあふれた四元さんの作品
桜島をかたどったティッシュケースは、ティッシュを入れると噴煙を上げているように見えるユニークな作品。パタンナーの四元さんが特にこだわったのはその形。より立体的な桜島を表現するため、ミリ単位で調整しました。せごどんバッジは県内の短大生と協力して作りました。指宿や、肝属、霧島など各地をイメージしたデザインなど、ご当地感たっぷりです。今月行われた特産品コンクールでは鹿児島県観光連盟会長賞も受賞しました。「鹿児島をポップにオシャレに」をテーマに東京の人気デザイナーとコラボして作った、西郷さんの携帯ケースや、コースタミラーなどのグッズも。どうしても西郷さんって男性に人気のイメージがあったんで、女性や子供にも身近に感じてもらえたらいい、と語っていた四元さん。鹿児島愛を形に。みんなを笑顔に。パタンナー・四元さんのチャレンジはこれからも続きます。
桜島モクモクティッシュケース S 864円(税込) M 1944円(税込)
iphoneケース 3456~4104円(税込) せごどんばっじ583~800円(税込)
【主な販売先】
鹿児島ロフト 東急ハンズ鹿児島店 山形屋(鹿児島店)
イオン鹿児島店 鹿児島ブランドショップ いぶすき西郷どん館