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巨大な津波が、東北地方の沿岸を襲った「東日本大震災」から11年。
今年1月には、トンガの火山噴火で県内に津波警報が出されるなど、鹿児島も津波のリスクがあります。
自分や家族の命を守るために、どんな備えが必要なのか。
東日本大震災で被災した経験を持つ鹿児島市在住の防災士のママに、幼い子どもがいる中で被災して困ったこと、備える必要があるものを聞きました。
3月11日・東日本大震災から11年
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11年前のきょう、3月11日 午後2時46分。
ちょうどこの時間に、東日本大震災が発生しました。
地震の規模を示すマグニチュードは、「9.0」。
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地震で巨大な津波が発生し、東日本の沿岸を襲いました。
死者・行方不明者は、関連死も含めて2万人以上という、大きな被害が出ました。
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被害が大きかった場所では、3階建てや4階建ての建物が壊れるほどの津波の高さとなっていました。
今年1月、鹿児島でも津波警報 発表
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鹿児島も、 津波と無縁ではありません。
今年1月にトンガで大きな噴火が起きた際、
奄美地方に津波警報、県内のそのほかの地域にも津波注意報が出されました。
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奄美では、高さ1メートル20センチの津波を観測したほか、四国では漁船が転覆するなどの被害がありました。
「自分や家族の命を守る」ために
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地震や津波は、急に起きるのでびっくりすると思いますが、 やはり大事なのは「いざというときの備え」です。
「自分や家族の命を守る」ために必要なことについて、防災士の女性に話を聞きました。
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渡邉恵里香(わたなべ・えりか)さんです。
渡邉さんは茨城県出身で、三児の母です。
11年前のきょう、茨城県で被災しました。
震災当時、お子さんは生後11カ月でした。
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現在は鹿児島で暮らしていて、防災に関する知識や技能を習得した防災士として、ワークショップやSNS を通し、 被災した時のことについて発信しています。
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【地震発災当時の状況】・ここでは生活できない…
まず目に飛び込んできたのは、倒れたテレビ。
直前まで横になっていた場所は、照明が落ちていました。
床にはコンロが落ちていて、 棚から出た食器が散乱。
「ここでは生活できない」
避難することを決めました。
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【避難所が使えない】・車中泊…
しかし、避難所の天井が落下。
車中泊の生活が始まりました。
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【避難生活時の心境】・備えていなくてごめんね…
なんとか子どもを守るために、避難生活を乗り越えようとした渡邉さんでしたが、その一方で、 備えられなかった自分を責めてしまう気持ちがあふれました。
3日間の避難生活の後、 夫の実家がある福岡県に移り住みました。
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「もっと自分と家族を守るための方法を学び、伝えたい」
防災士の資格を取得し、活動を始めました。
被災から11年が経った今、 当時を振り返って気づいたことがあると言います。
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【心の備えこそ大事】・モノの備えも大事だが…
ハザードマップは見ていたけれど。
もし、第二の避難所が分かっていれば。
給水場所が分かっていれば。
大切だったのは、心の備え。
物を備えることだけではありませんでした。
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■渡邉さんの防災術
①防災さんぽ(避難場所の確認)
ハザードマップを見るだけでなく、 自宅や子ども達が遊びに行く公園などの周辺を実際に歩き、 一緒に避難所や危険な場所を確認しています。
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②ローリングストック
いつも食べているものを少し多めに用意したり、普段から防災食を食べながら、備蓄することです。
特に赤ちゃんに関しては、「普段から食べているものでなければ、 いざというときに食べられない」のだそうです。
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③寝室に靴・ライトを常備
就寝中、災害が起きたときのために、靴やヘッドライト、ホイッスルなどを準備しています。
津波警報が出たら、どう避難する?
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今年1月、 トンガ沖の火山噴火の影響で、 奄美群島とトカラ列島に「津波警報」が出されました。
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津波警報が出た奄美市では、車で高台に避難しようとする人が多くいたことで、渋滞が起きていました。
もし、渋滞中の車を津波が襲ったら…。
実際東日本大震災では、 渋滞しているところを津波が襲ったという事例も報告されています。
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1月の津波警報発令当時、車で避難して渋滞に巻き込まれたという、 奄美市在住の西さんに話を聞いてみました。
最終的には、高台に避難できたという西さん。
今回の経験を通して、強く感じたことがあるそうです。
実際に避難してわかったこと・その1
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【自分の家族は歩けるので、次は歩いて避難する】
車で避難すると、渋滞することがあります。
地域の多くが一斉に車を使ってしまうと、 渋滞が起きて津波に巻き込まれる危険性があります。
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地域の中で「 だれが車で避難するのか」、 「だれが徒歩で避難するのか」あらかじめ考えておく必要があります。
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津波の速さは、およそ時速35キロ。
海岸付近では、車と同じくらいの速さです。
津波が見えてから車で避難しても、間に合わないおそれがあります。
津波警報や注意報が出たら、 低い危険な場所から高い場所へ、早めに避難することが大切です。
実際に避難してわかったこと・その2
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【事前に避難場所を知っておくことは大事】
ハザードマップで、どこが危険で、自分たちはどこに避難すべきなのか、 確認しておきましょう。
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地図を見るだけでなく、 実際に足を運んで看板を確認するなど、津波の時に避難する場所について確かめておくことも大切です。
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東日本大震災から11年。
「自分や家族の命を守る」ために。
何を備えたらいいのか、いざというときにはどう行動するのか、
自分のこととして改めて考えてみましょう。