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10月5日(火)コロナ禍で命を育む~ワクチン接種から見えた妊婦の姿

妊婦へのコロナワクチン接種が勧められるなか、番組では多くの妊婦が感じている不安について取材しました。
そして、それに対する専門医の意見とあわせてお伝えしました。

妊婦を対象に、新型コロナウイルスワクチン接種推奨の動き

日本産婦人科学会などは、今年8月妊婦を対象に、新型コロナウイルスワクチンの
「メッセンジャーRNAワクチン」接種を勧める文書を出しました。
厚生労働省も8月下旬、妊婦のワクチン接種を早期に実施するよう呼びかけています。

​国や医師が、”早期に”と勧める妊婦さんへのコロナワクチンの接種。実際妊婦さんたちはどのように思っているのでしょうか。





 

妊婦さんにKTSアプリでアンケート「ワクチン接種、希望する?」

・希望する  60%
・希望しない 27%
・迷っている 13%


アンケートからは、判断が分かれていることがわかりました。

妊婦の方にインタビュー

アプリで回答いただいた妊婦の方に、ワクチン接種についてどのように考えているのか、インタビューを実施しました。

◇【中山さんご夫婦】・接種しない方向

妻の咲さんは、10月に出産を控えています。
中山さんご夫婦は、ワクチン接種への不安を話します。
「赤ちゃんが100%安全じゃない。出産まで1カ月ほどなので、打たない方向。」
 

その判断に至った理由には、夫の大輔さんの体験がありました
「ワクチン2回終わった時に体調を崩して、熱も出たり体がだるかったり。お腹が大きくて、赤ちゃんがいる状態で接種するのは怖い。」
 

副反応が妊婦に与えるダメージ。そして、胎児に影響を与えてしまうのではないかー。
その不安から、接種しないという判断に繋がりました。

◇【30代、妊娠9カ月のかるるんさん】・接種しない

かるるんさんは、コロナワクチンの安全性に不安を抱いていました。
「妊娠していなければ、迷わず接種していたと思う。5年10年のデータが出ているわけではない。ワクチンの十分なデータが集まっていない。」
かるるんさんは続けます。

「妊婦は、風疹とかのワクチンも安易に打つことはできない。食べ物も制限がある中で、1年経つか経たないかのコロナのワクチンを打って、本当に胎児に影響が出ないのかっていうのが、正直不安でしかない。打つという判断はできない状況です。」

◇【30代、妊娠7カ月のAさん】・2回接種完了(接種後、新型コロナに感染)

「妊娠後期にかかった場合に、重症化しやすいという情報があった。受けたほうがいいのかなと思った。
接種の決め手は、重症化リスクを防げることでした。
​ワクチン接種の副反応は全くなく、打ったところが少し腫れる程度。」
 

実はAさん、ワクチン接種後に新型コロナに感染しました。
「朝起きて頭の痛さがあって、おなかが張ってきたりして不安になった。」
妊婦ということもあり、Aさんは入院することに。
「病院に移って、赤ちゃんの心拍を聞いて安心した。胸のCTを撮って、肺炎の所見はなかった。」
Q.入院中の症状は?
「入院中は咳と鼻水と。倦怠感というのも日に日に薄れていった。」

その後、Aさんは無事退院。
自身の体験から、ワクチン接種についてこう話します。
「ワクチンを受けていたので、この程度で済んだのかな~。受けようか迷っている方がたくさんいると思いますが、私は受けてたほうがいいのかなと思います。」
現在Aさんは無事に退院し、母子ともに健康に過ごしているそうです。

◇◇◇接種を希望する人も、しない人も不安を抱えている◇◇◇
コロナワクチンに関する妊婦さんの生の声をお伝えしましたが、ワクチン接種を希望する人も希望しない人も、それぞれに不安を抱えているという状況が見えてきました。

そこで、今回の取材で聞いた不安や疑問について専門医に聞いてきました。

鹿児島市立病院産婦人科・上塘医師の話

◇鹿児島市立病院産婦人科・上塘医師
30年以上にわたって妊婦と向き合う。コロナ禍では、新型コロナに感染した妊婦と赤ちゃんの命を守るために最前線で戦っている。

◎【妊婦の新型コロナ感染の危険性】
お腹が大きくなると胸がだんだん圧迫される。圧迫されると肺の動きが弱くなり、肺炎が悪化する可能性が非常に高いことがわかった。
 

◎【肺炎の怖さ】
肺炎で炎症が強くなると酸素が少なくなり、赤ちゃんに酸素がいかなくなる。低酸素状態になると赤ちゃんが窒息してしまう。
お母さんが発熱して症状が強い肺炎になると、早産が多くなり、生まれた後の経過も悪かった。
 

◎【重症化を防ぐためにワクチン接種が必要】
命を守るためには、重症化を防ぐことが肝心。そのためには、ワクチンの接種が不可欠。

◎【妊婦のワクチン接種の安全性について】
風疹ワクチンとは種類が違う。風疹ワクチンはウイルスを生きたまま弱毒化して注射する。そうすると、わずかだが赤ちゃんに移行することがある。コロナワクチンは、ウイルスが入っていないので赤ちゃんに影響はない。

◎【ワクチン接種による妊婦への副反応について】
妊婦さんと妊婦さん以外の女性でワクチン接種の副反応を比べた場合、ほとんど変わらないと出ていて、問題ない。
ただし、高熱は赤ちゃんに影響する可能性があるので、必ずアセトアミノフェンを飲んで、熱を下げることが非常に重要。

風疹ワクチンとコロナワクチンの違い

風疹ワクチンは、生きたウイルスの毒性を弱めたものを原材料として使用。
そのため、赤ちゃんに影響することがあり、妊婦は接種できません。
一方、コロナワクチンにはウイルスは入っていません。
メッセンジャーRNAという伝達物質を接種するので、妊婦にも接種出来るワクチンだと言われています。

接種の時期:妊娠中いつでも接種可能だが、30週以前での接種が理想

ワクチン接種の時期については、妊娠中いつでも接種していいそうです。
ただ、上塘医師によると、「ワクチン接種の最大の目的は、妊娠後期の重症化リスクを防ぐこと。そのようなことを考えると、30週以前での接種がいいのではないか」ということでした。