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わたしと本②


 
おとなになって
本屋さんに行くのが
もっと好きになったきっかけがあります。
 
 
歌集です。
 
 

 


これは社会人になってから集めた
短歌の歌集たち。
 
知人に貸しているものも沢山あるので
ほんの一部ですが
いつのまにか20〜30冊くらい集まりました。
 
 
新しい歌集を見つけたら
「これは生活必需品だから買わなければ」
くらいの勢いでレジに向かうので
すごいはやさで増えていきます。
 
 
ま、そんなことはいいんですよ。
 
 
 
なぜ歌集が本屋さんに行くのが
もっと好きになる理由なのか、というと。
 
 
きっかけは些細なことでした。
運命的にというか
必然性を感じるというか
そんな感じで。
 
 
 
仕事を始めてしばらくした頃
 
慣れない社会人生活と
なにもできない未熟な自分に
心がつかれてしぼんじゃうことが
よくあったのですが、
 
そんなある日の仕事終わり
気がついたら本屋さんに向かっていて
 
エッセイとか
そういう本が置いてあるコーナーにいたんです。
 
 
 
そこで、ぼーっといろんな本を見ていたときに
吸い込まれるように惹かれたのが
 
現代短歌の歌集でした。
 
 
 
わたしが行ったその本屋さんでは
エッセイの横に短歌のコーナーが並んでいて
 
それまで歌集を読んだことはなかったのですが
知らない世界にとびこんでみたかったからなのか
すごく惹かれて、立ち読み。
 
 
手にとってパラパラっとめくると
1ページ1首ずつのあたたかい言葉がありました。
 
 
五七五七七のやさしいリズムの言葉が
じわーっと胸にしみていくような
そういう穏やかな感覚があって
 
短歌の世界に頼ってみたくなったのを
いまでも覚えています。
 
 
 
 
そこから
心がしぼんじゃいそうなときは
歌集を探しに行くようになって
 
本屋さんに行く新しい理由ができて
 
本屋さんに行くのがもっと好きになりました。
 
 
 
心をまた元気にしてくれる
って感じかな。
 
 
わたしの日常にかけがえのない場所です。