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井村先生のぼうさいの時間
「防災をマナブ」(2021年3月まで放送)の情報も掲載しています

ハザードマップを読み解く

防災に詳しい鹿児島大学井村隆介准教授を先生に迎えて、親子で楽しく学ぶ「ぼうさいの時間」です。
皆さんは、各家庭に配られている「ハザードマップ」をお持ちでしょうか?
県内では、奄美地方が先月11日に梅雨入りし、九州南部も梅雨入りが近づいているとみられています。
もしもに備え、どんなところに気をつけて「ハザードマップ」を読み解けばいいのか、一緒に考えていきたいと思います。

各家庭に配付される「ハザードマップ」

時に、私たちの生活を脅かす雨。
大雨による災害から命を守るためには、自分が住んでいるところ、また、職場や学校がどんな場所なのかを知ることが必要です。

そのために役立つのが、各家庭に配られている
「ハザードマップ」です。
 

鹿児島市では、22のエリアに分けて作られていて、
【洪水浸水想定区域】や【避難所】が掲載されています。

インタビュー:「ハザードマップ」をどのように活用している?

実際に、この「ハザードマップ」をどのように活用しているのか街の人に聞いてみると…。

Q.ご自宅にお持ちですか?

(街の人)
持っていないです…。
あ、持っているのかな?
どこにやったかわからない。

(街の人)
家に来ていたと…思います。家に来ていました。

Q.これどうしていますか?

(街の人)
多分、ごみ出しカレンダーと一緒のところに置いてあると思います。
ただ、中は見ていない。

Q.ご家族でみんなで見たりっていうのは?

(街の人)
っていうのはない。

Q.とりあえず置いておこうっていう?

(街の人)
はい。

なんとなく知ってはいても、
じっくり見てはいないという方がほとんどでした。

【ハザードマップはどう読み解けばいいのか】

◆前原竜二アナウンサー
きょうのテーマは、「ハザードマップを読み解く」です。

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
雨のシーズンになってきました。
「ハザードマップ」をどう読み解けばいいのかということをお話したい。

◆前原竜二アナウンサー
こちらが、鹿児島市の「ハザードマップ」です。

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
今、どこにいるかわかりますか?
「ハザードマップ」を読み解く上では、まずどこにいるのかを把握することが一番大事。

2人がいる場所は、鹿児島市のアイム前です。

ハザードマップを読み解く①想定されている浸水について知る

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
青色がついています。
一部紫色もついています。
では、この青はどういう意味ですか?

      ここでクイズ!

【問題】
井村先生と前原アナウンサーがいる場所は、青く塗られています。
これは、どれぐらいの浸水が想定されている区域を表しているのでしょうか?

【答え】
正解は、0.5mから3m未満です。

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
ハザードマップでは、「3m」は「1000年に1回の雨」を想定している。
そうすると、このあたりが「3m」。
「1階部分が全部水浸し」となるのはなかなか想像がつかない。

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
8・6水害の時は、このあたりは膝上ぐらいまで水がきている。
 

◆鹿児島大学 井村隆介准教
1000年に1回3mくるのではなく、
100年に1回ぐらいは1m。
 

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
50年に1回は、50~60㎝浸水するというのがこの場所。

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
このあたりで紫色とかの周辺地域は、実際に8・6水害のときに浸水したエリアと一致する。

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
1000年に1回の雨に備えるだけではなくて、
数十年に1回の雨にも備えないといけない

ハザードマップを読み解く②避難所について確認しておく

「ハザードマップ」を読み解く上でもうひとつ大切なことは、
避難所の情報」です。

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
みなさんに見ていただきたいところは、一番近い避難所ですが…。
今、ここから一番近い避難所は山下小学校なんです。
 

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
ただ、山下小学校は近くにあるんですが、情報を得るために表のところを見ると、「開設順」っていうのがありまして。
 

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
鹿児島市の避難所は、全部が一度に開くわけではない。
山下小学校は、2番目に開く。
自分の家から一番近い避難所が、行っても開いていない可能性がある。
 

もしもに備えて①冷静な時に読み解いておく

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
緊急時にこの表を見ても間に合わない。

◆前原竜二アナウンサー
今、冷静な時にこそ
きちんと読み解いて知っておくことが大事
ですね。

もしもに備えて②避難所までのルートの確認も大切

また、避難所の場所だけではなく、避難所までのルートの確認も大切です。
 

緊急時は気が動転し、正常な判断ができなくなることも…。
そのため、浸水想定区域や川の近くなどをできるだけ避けるルートを決めておくことも大切だと井村先生は話します。

もしもの時に備え、今のうちにしっかりと考えておきましょう。

「ハザードマップ」は、鹿児島市のホームページでも見られるようになっています。
 

しかし井村先生は、
「災害など緊急時はネットがつながらないこともあるので、
紙で持っておくことが大事」だと話していました。