新燃岳の大規模噴火から12年
鹿児島大学の井村隆介准教授を先生に迎え、親子で学ぶ「ぼうさいの時間」。
霧島山の新燃岳の大規模噴火から、まもなく12年です。
新燃岳の現在の状況や、今を生きる私たちへの教訓を一緒に学びます。
◆井上彩香アナウンサー
今回は、新燃岳の大規模噴火から12年が経つということで、高千穂牧場にやってきました。
◆鹿児島大学・井村隆介准教授
霧島観光の中では、高千穂牧場は鹿児島・宮崎の県境で、たくさんの人が訪れて景色を楽しむ場所。
◆鹿児島大学・井村隆介准教授
そういう中で、実は12年前の噴火で、ここから新燃岳の噴火はこのように見えていた。
のどかな風景に現れた高さ7000メートルほどの巨大な噴煙。
新燃岳の火口からは約8キロ。
当時、井村先生は、ここ、高千穂牧場にいました。
◆鹿児島大学・井村隆介准教授
ゴーッと言うジェット機の側にいるような音と同時に、この辺りの建物の窓ガラスがガタガタと連続的に震えているような状況。
風下側で撮った写真は、まるで夜のようです。
2011年1月26日から始まった約300年ぶりとなる新燃岳の大規模なマグマ噴火は、県内にも大きな被害をもたらしました。
街は灰に覆われ、
空振(噴火の衝撃で空気が振動する)では、ホテルや病院の窓ガラスが割れました。
降灰で農作物が収穫できなくなったり、
鹿児島地方気象台の現地調査では、山腹に直径6メートルを超える噴石も見つかったりしました。
◆鹿児島大学・井村隆介准教授
霧島は、20以上火山があるわけだから、一個山ができるというのが霧島の本気の噴火。
◆鹿児島大学・井村隆介准教授
それからすると、新燃岳の2011年の噴火は、100分の1から10分の1以下なので、霧島でもっと大きな噴火が今後起こってもおかしくない。
高千穂牧場の当時の様子を知る、谷口さんに話を聞きました。
◆高千穂牧場営業企画課長・谷口健一さん
朝早くから噴火してた。
ぼくら職員もびっくりはした。初めてのことだったので。
◆高千穂牧場営業企画課長・谷口健一さん
本当に対処することもなく、営業していた。
それでも、この噴火を機に、変わったことがありました。
◆高千穂牧場営業企画課長・谷口健一さん
すぐに対策マニュアルを作った。
◆高千穂牧場営業企画課長・谷口健一さん
お客様の誘導とか、食料備蓄に200人分のカレーを用意したり…そういう蓄えはしてます。
12年前を教訓に「備え」ていました。
それでは、現在の新燃岳の状況はどうなっているのか、上空から観察しました。
◆鹿児島大学・井村隆介准教授
僕がここ1、2年飛んでいる中では、噴気が多い方だと思う。
◆鹿児島大学・井村隆介准教授
だから噴火が迫っているとかではなく、下に熱、温かいものがあって、それが上がってきているということは事実で間違いない。
◆鹿児島大学・井村隆介准教授
溶岩が火口の縁ギリギリにあって、次の噴火が起こったら、そこからまた流れ出しそうな雰囲気ではある。
◆井上彩香アナウンサー
実際にご覧になって、今どんな段階にあると思われますか?
◆鹿児島大学・井村隆介准教授
表面的には、非常に静かな状態だと思うんですけど。
◆鹿児島大学・井村隆介准教授
年が明けてからも火山性地震が増えたという情報もあった。
◆鹿児島大学・井村隆介准教授
地下での活動は消長を繰り返しながら今も続いている。
◆鹿児島大学・井村隆介准教授
2011年の噴火で山体の膨張が一部収まったんですけど、そのあと膨張が続いて2018年の噴火に至った。
◆鹿児島大学・井村隆介准教授
今は、2011年の膨張と同じくらい山が膨らんでいますので、三発目の玉というか、マグマはすでに霧島の下に入っている状態。
噴火警戒レベルが導入されている霧島の山は5つあり、その全てが「活火山であることに留意」のレベル1。
行楽シーズンは多くの登山客で賑わいます。
授業のまとめ
新燃岳の大規模噴火から12年。
今を生きる私たちへの教訓はー。
◆鹿児島大学・井村隆介准教授
直後に東日本大震災が起こったので、新燃岳の大規模噴火はきちんと検証されていない。
◆鹿児島大学・井村隆介准教授
1月26日、27日の噴火で、火山灰が都城市や宮崎県にずいぶん飛んだ。
◆鹿児島大学・井村隆介准教授
高速道路に軽石、火山灰が積もって通行止めになったり、宮崎空港が閉鎖されたりもした。
◆鹿児島大学・井村隆介准教授
それを私たちは忘れてしまっていて、あのときは、たまたま西の風で宮崎側に被害が出た。
◆鹿児島大学・井村隆介准教授
鹿児島側も季節によっては、非常に大きな被害が出たかもしれない。
そういうことをちゃんと理解しておく必要がある。
火山を理解し、過去の噴火に学ぶ。
もしもの時に生き抜く「備え」を家族で話してみて下さい。