地震を知ろう
鹿児島大学の井村隆介准教授を先生に、親子で楽しく学ぶ「ぼうさいの時間」です。
きょうのテーマは「地震」です。
テーマは「地震を知ろう」
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
◆前原竜二アナウンサー
地面が震えること…?
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
そうですね。
日本は昔から地震があった国なんですけど、だからこそ私たちは、これから起こる地震について学ばないといけない。
地震大国・日本
時に大きな被害をもたらす「地震」。
プレートが交わる場所にある日本は、地震大国として知られています。
鹿児島県でも1997年に、阿久根市付近を震源とする「県北西部地震」が発生。
100棟以上の建物に被害があり、広い範囲で断水も起こりました。
出水断層帯が動く確率はやや高い部類
この他にも、北薩地域にある活断層、出水断層帯では過去に少なくとも大きな地震が4回起こったと言われています。
国の推計では、今後30年のうちにこの断層が動く確率は0~1%。
低いように見えますが、確率としてはやや高い部類に相当します。
震源とマグニチュードを理解しよう
地震が起きた時、ニュースでよく耳にするこの言葉。
「震源はえびの高原の西側、震源の深さはおよそ10キロ、地震の規模を示すマグニチュードは…」
震源、マグニチュード…。
どんな地震が起こったのか理解する上で、とっても大事な情報なんです。
井村先生にわかりやすく教えてもらいました。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
地表があって、地震で壊れた断層があります。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
震源は断層の中にある。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
そこから岩盤が壊れて…
最終的に、このエリアが全部壊れる。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
壊れる時に、地震のエネルギーが「波」として伝わって、私たちは揺れを感じる。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
震源の真上が震央。
◆前原竜二アナウンサー
力が伝わって、揺れを感じるのが…
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
震度です。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
いろんなところに波が行っているわけですが、このエネルギー全部ひっくるめたのが…
マグニチュードです。
【実験】岩盤が壊れる様子
では、どのように岩盤が壊れるのか、実験で見てみましょう。
チョークは岩盤を表し、万力は大陸を表します。
大陸が動いて岩盤を押していきます。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
壊れましたね。
あるところで限界がきた時に、ゆっくりではなくて一気に全部壊れたと思う。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
その揺れが波として伝わって、感じた揺れが地震。
「マグニチュード9クラス」想定の「南海トラフ地震」について
鹿児島にも大きな影響をもたらすと言われている、「南海トラフ地震」。
「マグニチュード9クラス」が想定されています。
ここで、クイズ
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
このチョークの大きさが「マグニチュード7」。
つまり、「熊本地震」と同じぐらいだと考えると…。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
南海トラフで予想されている「マグニチュード9」は、どれぐらいの大きさの岩盤が崩れる地震なのでしょうか。
クイズの答え
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
南海トラフで予想される「マグニチュード9」は、チョークに対してホワイトボードくらいの岩盤が崩れる地震。
◆前原竜二アナウンサー
このホワイトボード全体の岩盤が壊れるということですか!?
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
ホワイトボード全体を、左右から押すほどの規模になる。
マグニチュードが1増えると、エネルギーは約32倍に
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
地震の規模を示すマグニチュードは、「1増えると約32倍」エネルギーが大きくなります。
マグニチュード9は、7の1000倍
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
それは、マグニチュード9は7の1000倍ということを意味するんです。
地震について、家族で話し合ってほしい
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
地震が起こった時、ニュースや速報で出た時、そこからいかに情報を読み解くかということが、次の行動に関わってくる。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
だからきょう学んだ事を、もう一度お家の中でも話し合っていただきたい。
県内では、今年10月に志布志市などで最大震度4を観測した地震が発生したほか、
先週からはトカラ列島近海で震度1以上の地震が頻発しています。
いつ、どこで起きてもおかしくない地震。
今起きている地震がどんなものかを知ることが、地震防災の第一歩といえそうです。