津波を知ろう
防災に詳しい鹿児島大学の井村隆介准教授を先生に迎えて、親子で楽しく学ぶ“ぼうさいの時間”です。
今月5日は、国が定める「津波防災の日」いうことで、今月のテーマは“津波を知ろう”。
備えの大切さを学びます。
今月のテーマは“津波を知ろう”
◆井上彩香アナウンサー
先生、今月のテーマは“津波を知ろう”です
津波と、普段の波はどう違う?
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
津波と、普段の波と何が違うと思いますか?
◆井上彩香アナウンサー
津波は、大きな地震が起こったときに耳にします。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
地震の時に起こる津波と、普段の波は、起こり方が違う。
きょうは、そういうことを最初に調べてみましょう。
【実験】普段の波と、津波の違い
普段目にする波と、津波。
一体何が違うのでしょうか?
実験で確かめましょう。
透明の容器に水を入れ、海に見立てたものを準備しました。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
まずは地震が起こっていないときに起こっている波。それは実は、“風”でできてる。
井上彩香アナウンサーが、実際に息を吹きかけて“風”を起こします。
◆井上彩香アナウンサー
水面はかなり揺れていたんですけど、水はこぼれませんでした。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
普段の波というのは、海の上を吹く“風”が波を作って、それが海岸に押し寄せているもの。
続いては、道具を使って“津波”を再現します。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
地震が起こると、ボンッと水が上がる。
水全体が動く。
こういうのが海全体で起こる。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
例えば5mの津波だと、5mのままあふれ出す感じ。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
風で起こる波は、容器を5mmの高さで越えるイメージ。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
普段の波と津波とでは、水の量が全然違う。
だから津波は怖い。
日本は、昔から津波災害を受けてきた場所
2011年3月の東日本大震災。
犠牲者の多くが、津波で命を落としました。
このとき鹿児島でも、県内全域に津波警報が出されました。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
“津波(TSUNAMI)”は、世界で使われている言葉。
昔から日本は、津波災害を受けてきた場所ということを、今一度私たちは知る必要がある。
国は、南海トラフ地震について
30年以内の発生確率を約70~80%としています。
鹿児島県の予測では、
県内の沿岸部の津波は約2mから12m。
犠牲者は最大で、2000人前後
に及ぶとされています。
各自治体の取り組み
そんな中、各自治体ではどんな取り組みを行っているのでしょうか?
津波の浸水想定や避難場所への経路などを記すハザードマップの作成状況について、43市町村に取材しました。
すると、海に面している39の市町村すべてが、ハザードマップをすでに作成済みか、作成中と回答しました。
また西之表市は、津波警報が出た際、市の指示を待たずに、高齢者などがすぐ避難を始めるべき地域を指定し、防災マップに記しました。
さらに、南海トラフ地震で
最大7.2mの津波が予想される東串良町と、
8.4mの津波が予想される肝付町では、津波避難タワーを作りました。
避難タワー
井村先生と井上さんは、肝付町の南方地区避難タワーにやってきました。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
この内之浦地区は、集落は大きいんですけど、高い建物がないということで、周辺の人が避難して来られるように避難タワーができました。
おととし完成した避難タワーの
高さは、14.35m。
最大収容人数は、660人です。
水や簡易トイレなどの備蓄品もあります。
◆肝付町内之浦総合支所町民生活課 伊地知貞行さん
内之浦地区は、高齢化率が高い。
高台まですぐに避難できない方が多い。
◆肝付町内之浦総合支所町民生活課 伊地知貞行さん
町と地元住民が話し合いをして、建設することになりました。
地域の実情に合った対策が進んでいました。
【授業まとめ】
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
津波が来ることが予想されているから、避難タワーを作っている。
町は備えています。皆さんのご家庭ではどうですか?
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
東北の地震から10年。南海トラフの地震が起こらないまま、10年が経過しました。
それは、カウントダウンが10進んだということ。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
街角の「ここは標高何mですよ」という看板とか、そういうものにも今一度注意を払って頂きたい。
地震による“津波”が起こるのは、明日かもしれません。
いま、皆さんができることを考えてみてください。