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井村先生のぼうさいの時間
「防災をマナブ」(2021年3月まで放送)の情報も掲載しています

津波を知ろう

防災に詳しい鹿児島大学の井村隆介准教授を先生に迎えて、親子で楽しく学ぶ“ぼうさいの時間”です。
今月5日は、国が定める「津波防災の日」いうことで、今月のテーマは“津波を知ろう”
備えの大切さを学びます。

今月のテーマは“津波を知ろう”

◆井上彩香アナウンサー
先生、今月のテーマは“津波を知ろう”です

津波と、普段の波はどう違う?

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
津波と、普段の波と何が違うと思いますか?

◆井上彩香アナウンサー
津波は、大きな地震が起こったときに耳にします。

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
地震の時に起こる津波と、普段の波は、起こり方が違う。
きょうは、そういうことを最初に調べてみましょう。

【実験】普段の波と、津波の違い

普段目にする波と、津波。
一体何が違うのでしょうか?
実験で確かめましょう。
透明の容器に水を入れ、海に見立てたものを準備しました。

 

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
​まずは地震が起こっていないときに起こっている波。それは実は、“風”でできてる。

井上彩香アナウンサーが、実際に息を吹きかけて“風”を起こします。

◆井上彩香アナウンサー
水面はかなり揺れていたんですけど、水はこぼれませんでした。

 

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
普段の波というのは、海の上を吹く“風”が波を作って、それが海岸に押し寄せているもの。
 

続いては、道具を使って“津波”を再現します。

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
地震が起こると、ボンッと水が上がる。
水全体が動く。
こういうのが海全体で起こる。
 

津波

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
例えば5mの津波だと、5mのままあふれ出す感じ。
 

普段の波

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
風で起こる波は、容器を5mmの高さで越えるイメージ。
 

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
普段の波と津波とでは、水の量が全然違う。
だから津波は怖い。


 

日本は、昔から津波災害を受けてきた場所

2011年3月の東日本大震災。
犠牲者の多くが、津波で命を落としました。
 

このとき鹿児島でも、県内全域に津波警報が出されました。

 

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
“津波(TSUNAMI)”は、世界で使われている言葉。
昔から日本は、津波災害を受けてきた場所ということを、今一度私たちは知る必要がある。
 

国は、南海トラフ地震について
30年以内の発生確率を約70~80%としています。
鹿児島県の予測では、
県内の沿岸部の津波は約2mから12m
犠牲者は最大で、2000人前後
に及ぶとされています。

 

各自治体の取り組み

そんな中、各自治体ではどんな取り組みを行っているのでしょうか?
 

津波の浸水想定や避難場所への経路などを記すハザードマップの作成状況について、43市町村に取材しました。
すると、海に面している39の市町村すべてが、ハザードマップをすでに作成済みか、作成中と回答しました。
 

また​西之表市は、津波警報が出た際、市の指示を待たずに、高齢者などがすぐ避難を始めるべき地域を指定し、防災マップに記しました。

さらに、南海トラフ地震で
最大7.2mの津波が予想される東串良町と、
  8.4mの津波が予想される肝付町では、津波避難タワーを作りました。


 

避難タワー

​井村先生と井上さんは、肝付町の南方地区避難タワーにやってきました。

 

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
この内之浦地区は、集落は大きいんですけど、高い建物がないということで、周辺の人が避難して来られるように避難タワーができました。

 

おととし完成した避難タワーの
高さは、14.35m。
最大収容人数は、660人です。
 

水や簡易トイレなどの備蓄品もあります。
 

◆肝付町内之浦総合支所町民生活課 伊地知貞行さん
内之浦地区は、高齢化率が高い。
高台まですぐに避難できない方が多い。
 

◆肝付町内之浦総合支所町民生活課 伊地知貞行さん
町と地元住民が話し合いをして、建設することになりました。
 

地域の実情に合った対策が進んでいました。

 

【授業まとめ】

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
津波が来ることが予想されているから、避難タワーを作っている。
町は備えています。皆さんのご家庭ではどうですか?
 

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
東北の地震から10年。南海トラフの地震が起こらないまま、10年が経過しました。
それは、カウントダウンが10進んだということ。
 

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
街角の「ここは標高何mですよ」という看板とか、そういうものにも今一度注意を払って頂きたい。
 

​地震による“津波”が起こるのは、明日かもしれません。
いま、皆さんができることを考えてみてください。