火山を知ろう
防災に詳しい鹿児島大学井村隆介准教授を先生に迎えて家族で学ぶ「ぼうさいの時間」。
テーマは「火山を知ろう」
◆前原竜二アナウンサー
今月のテーマは「火山を知ろう」です。
◆前原竜二アナウンサー
鹿児島は後ろに桜島も見えていますし、火山のことは知っておかないといけないですよね。
火山は恩恵をもたらす一方で脅威も
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
そうですね。
火山は、噴火が積み重なってできた山ですから、地下の温度が温泉という恵みをもたらしてくれる。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
その一方で、噴火が起こると災害が起こる。
そういうことが自分たちの身近に起こるかもしれないということを、県民は知っておかないといけない。
鹿児島に住む私たちにとって身近な存在の火山。
恩恵もある一方で、時に脅威となることも。
【脅威】1914年・桜島の大正噴火
1914年、桜島の大正噴火では噴煙の高さが10キロ以上となり、多くの人たちの命が奪われました。
【脅威】2011年・新燃岳が噴火
さらに最近では、2011年に霧島山の新燃岳が噴火、空振で窓ガラスが割れるなどの被害が出ました。
【脅威】2015年・口永良部島の噴火
2015年の口永良部島の噴火では、噴火警戒レベルが5に引き上げられ、全島避難となりました。
自然災害について学べる県防災研修センターへ
そこで、今回は井村先生と一緒に火山について学びます。
2人が訪れたのは、姶良市にある県防災研修センター。
火山や地震など自然災害について、過去の写真や映像で勉強できる場所です。
活火山とは
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
前原さん、活火山ってわかりますか?
◆前原竜二アナウンサー
火山活動をしている火山・・・?
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
気象庁ではきちんとした定義があって、『最近1万年ぐらいの間に活動した火山と、今実際に噴気活動をしている火山』を活火山と呼んでいます。
井村先生からクイズ!活火山が一番多い都道府県は?
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
いま活火山は日本に111あります。そのうち、一番多い都道府県はどこだと思いますか?
◆前原竜二アナウンサー
この仕事を始めるまでは、ダントツ鹿児島だと思っていたけど、実は北海道ですよね?
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
そうです、北海道が31で日本で一番多いんです。2番目が東京都。
鹿児島県はたくさん火山があるように思えますが、実は3番目。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
数だけ見ると、鹿児島の方が少ないですが…人が近くに住んでいる活火山の数では、鹿児島が一番多いんです。
鹿児島の活火山の数は11
県防災研修センターにある模型は、鹿児島の活火山の位置を示したもの。
北は霧島山から…南は諏訪之瀬島まで11の活火山があります。
開聞岳は生きている!!
◆前原竜二アナウンサー
開聞岳は、噴火のイメージってないですよね・・・。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
実は、千数百年前の平安時代にはとても大きな噴火をしていて、指宿地域に猛烈な火山災害をもたらした、とんでもない暴れ山なんです。
それ以降噴火が起こっていないので、森が山の上まで広がっています。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
開聞岳もまだまだ生きていて、桜島のようにこれから頻繁に爆発を起こす山に変わっていくかもしれない、そういう山です。
◆前原竜二アナウンサー
人間にとっては千数百年ってかなり長い時間だけど、火山にとっては、少し休憩しているぐらい?
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
本当に少しのお休みぐらい。歩いて疲れたから、ベンチに座っているぐらいのお休み。いつ目を覚ましてもおかしくない。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
それは開聞岳だけではなくて、鹿児島の11の活火山がいつ噴火しても、私たち研究者は驚きません。
状況が変化する火山
活火山の一つ桜島。
頻繁に噴火を繰り返すイメージがありますが、最近の噴火回数を見るとおよそ4カ月で6回と、おとなしいように見えます。
※10月6日現在
しかし、先月13日から山体膨張を示すわずかな地殻変動が見られ、現在も続いています。
※10月6日現在
噴火の前には前兆現象も
刻一刻と状況が変化する火山。
噴火の前には、前兆現象が起きることも。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
桜島の大正噴火の時は、当時の鹿児島の気象台が「噴火はないよ」って言ってしまったために、逃げ遅れて亡くなった方がいる。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
当時逃げた人のほとんどは、そういう測候所からの情報と関係なしに、自分たちで池の様子とか、井戸の水があふれるとか、そういう現象を見て「こわいぞ!」と判断しました。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
そう考えると、普段から自分の周りに気をつけることが大事。
鹿児島で暮らす私たちに一番の備えは?
時に、大きな被害をもたらすこともある火山。
鹿児島で暮らす私たちにとって、一番の備えは?
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
最後に避難しようと思うか思わないかは、みなさん自身。
その行動を起こすためには、普段から知識を持っておくことが大事。