諏訪之瀬島を知る

防災に詳しい鹿児島大学井村隆介准教授を先生に迎えて親子で楽しく学ぶ「ぼうさいの時間」。
最近、火山活動が活発な諏訪之瀬島に注目しました。

◆前原竜二アナウンサー
きょうの授業のテーマは、『諏訪之瀬島を知る』です。
諏訪之瀬島は、 桜島に負けないぐらい元気な火山

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
鹿児島に住んでいる方は、火山というと桜島が思い浮かぶ。
実は、今、火山活動が活発な諏訪之瀬島は、
桜島に負けないぐらい元気な火山。
きょうは上空から観察しつつ、諏訪之瀬島について学びたい。

薩摩半島から南西に約200キロのところに位置する、十島村の諏訪之瀬島。
十島村の中では、中之島に次いで2番目に大きな島です。

最近、御岳が活発な火山活動を見せています。

ここ10年の爆発の回数は、2020年に700回を超えました。
そして、2021年は2015回と、一気に増えています。

今年9月28日には、
噴火警戒レベルが「火口周辺規制」の2から
「入山規制」の3に引き上げられました。
ヘリから諏訪之瀬島を観察

県内に11ある活火山の中でも、活動が活発といわれている諏訪之瀬島。
ヘリに乗って島を目指します。

◆前原竜二アナウンサー
諏訪之瀬島の今の状況は?
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
1949年ぐらいから元気な時とおとなしい時を繰り返しながら、活動が7~80年続いている。
その一環の中で、今は元気なところかなという印象。

鹿児島市を出て約1時間。
諏訪之瀬島が見えてきました。

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
雲の下から三角形状に雲が垂れ下がっているように見えるところがあるけど、そこが御岳の火口。

◆前原竜二アナウンサー
いまちょうど、噴煙があがりましたね。
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
普通にできる雲とは違って、有色の噴煙があがっているのがよくわかる。

今まさに噴火している諏訪之瀬島の山肌で、井村先生が注目したのは?

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
カメラに赤茶けた岩が映っている。
これが、江戸時代の大噴火の時に流れ出した溶岩。
これが島の3方向に流れ下って、大きな被害を出した。

今から200年以上前の1813年から1814年にかけて大噴火が起きたことが記録にも残されています。
この噴火で、全島民が島外に避難し、その後70年間無人島となったという諏訪之瀬島。

火口の南西側の集落には、現在80人ほどが暮らしています。

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
集落は、御岳の火口から3キロ少し離れたぐらい。

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
火口は山頂あたりにあるわけではなく、100mぐらい下がったところにある。
カルデラの縁(ヘリ)を超えてこなければならない。
100m以上の堤防に守られているのがこの集落。

諏訪之瀬島では活発な活動が続いているものの、
「大噴火の兆候は見られない」と井村先生は話します。

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
今起こっている噴火は、爆発ではなくて噴火と呼ばれる規模。
今活発な活動が続いていて、時々1000m以上の噴煙が上がるということがあるけど、基本的には1949年ぐらいから続いている活動の延長線上。

諏訪之瀬島の観察を終えて、鹿児島市に帰ってきました。
◆前原竜二アナウンサー
いかがでしたか?

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
山頂部は見えなかったけど、御岳の火口は見ることができた。
普通の白い雲と火山灰まじりの褐色がかった噴煙を確認することができた。

◆前原竜二アナウンサー
噴火警戒レベルはまだこのまま?
◆鹿児島大学 井村隆介准教授
そうですね、
噴火警戒レベルは人間が決めること。
地震が何回とか、噴火の回数が何回になったらレベルをいくつにしますとか、人間が勝手に決めているもの。それが噴火警戒レベル。
活火山はいつ噴火の兆候を見せるかはわからない

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
これは諏訪之瀬島だけではなく、皆さん桜島ばかり意識がいっていますが、霧島だって開聞岳だってみんな活火山。

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
それがいつ噴火の兆候を見せるかはわからない。
そのあたりはやはり、住んでいればそれがあるかもしれないというのは、どこかにおいておいてほしい

◆鹿児島大学 井村隆介准教授
そういう異常があった時は
「かもしれない」と、自分のスイッチが入るようにしていてほしい。
それが鹿児島に住む流儀。