火星の衛星「フォボス」から砂を持ち帰る JAXAが10月20日に挑む"世界初ミッション"の全貌
2026年10月16日(金) 16:30
鹿児島出身の技術者が担う「探査機の道筋」

霧島市出身の技術者・池田人さん
プロジェクトチームの中には、霧島市出身の技術者・池田人さんの姿もある。池田さんが担当するのは探査機の軌道設計だ。「どういう道を通って火星に行くか、火星についた後は火星の周りをどうやって動くか、フォボスの周りをどうやって飛ぶか検討している」と話す池田さんにとって、このミッションは子どもの頃からの夢でもある。
「昔から鹿児島は打ち上げの映像やロケットのニュースもあったし、もともと興味があってJAXAに入った」という池田さん。地元・鹿児島の種子島から打ち上げられることへの思いは特別だ。「地元から打ち上がるので、すごくうれしい。楽しみだけど、まずは打ち上がって、ちゃんと運用ができるかどうか少し心配。(探査機が)安全に行って帰ってくるように貢献したい」と語り、その表情には期待と緊張が入り混じっていた。
鹿児島に根ざした夢が、世界初の挑戦を支えている。地元の空から飛び立つMMXには、池田さんのような技術者たちの思いが詰まっている。
「子供を送り出す気持ち」――10年間の集大成

JAXA 川勝康弘プロジェクトマネージャ
打ち上げが目前に迫る中、川勝マネージャは今の心境をこう表現した。「この10年一緒に走ってきたので今、子供を送り出す気持ち」。MMXへのメッセージを問われると、思わず言葉がこぼれた。「頑張って楽しんでこいよ」。
長年にわたってともに歩んできた探査機への愛情と、使命を果たしてほしいという願いが、この一言に凝縮されている。そして川勝マネージャはさらにこう続けた。「取ってきたデータは惑星科学の研究に役立ってもらいたい。特にお子さんや若い方に見てもらって、我々の住んでいる地球以外に、こんな世界があるんだってことを見て喜んでもらえれば」。
10月20日の打ち上げは、ゴールではなくスタートだ。フォボスに到達し、サンプルを採取して地球に帰還するまでの旅は2031年度まで続く。鹿児島から始まる世界初の挑戦は、惑星科学の歴史に新たな1ページを刻もうとしている。
















































































































