コンテンツツーリズムの可能性 地域のPRに 阿久根市×VTuberが生み出す新たな観光の形 【鹿児島発】
2025年11月28日(金) 11:15

「推し旅」とも呼ばれる「コンテンツツーリズム」
「推し旅」と呼ばれることもある「コンテンツツーリズム」。一般にはアニメや映画の舞台となった土地などゆかりの場所を訪れる観光として注目されているが、鹿児島県阿久根市では新たな形のコンテンツツーリズムが展開されていた。
デジタルと港町が生み出す新しい観光の形

鹿児島県阿久根市 雄大な海と豊かな山に囲まれた港町
鹿児島県北西部に位置する阿久根市。東シナ海に面し、雄大な海と豊かな山に囲まれたこの港町で、「よかとこ阿久根」と名付けられたデジタルスタンプラリーイベントが開催されている。特筆すべきは、このイベントが大手VTuber事務所「にじさんじ」とのコラボレーションによって実現していることだ。
「今日も元気にオープン!Speciale (スペシャーレ)の朝担当 七瀬すず菜です」
「Specialeの夜担当 酒寄颯馬です」
「よろしくお願いします」

阿久根市と「にじさんじ」のコラボイベント!
東シナ海を望む国道3号沿いにある「道の駅阿久根」に設置された男女のVTuberキャラクターパネルは、YouTubeで配信活動を行う彼らの姿が描かれている。
事前のPR配信では阿久根市の特産品の食リポや観光のモデルプランなども紹介され、「食」に対する興味が強い2人が阿久根市の魅力を存分にアピールした。
担当者の思いがきっかけに

イベントを企画した小山さんの熱意がきっかけとなった
一見デジタルとは無縁に思える阿久根市でこのイベントが実施された背景には、市の担当者の熱意があった。
イベントを企画したのは阿久根市商工観光課・小山真央さん。「私が元々、VTuberのライブ配信をよく見ていたというのもあり、情報発信力やPR力は凄まじいものを感じていた。まずはこの企画を通して阿久根を知ってもらい、阿久根に一度足を運んで、阿久根の良いところを体験してもらうのが一番の目的」と語る。
VTuberによるコンテンツツーリズムの特徴

「イベントを機にその地域の他のものを知ってもらう工夫が大切」と語る近畿大学岡本健教授
観光学が専門の近畿大学・岡本健教授は、VTuberを活用したコンテンツツーリズムの特徴について次のように指摘する。
「例えば、映画やアニメのロケ地観光であれば、まずその作品のロケ地になっていないと、なかなか観光振興は難しいが、VTuberはどこでも一緒にコラボできる点で可変性、自由度が高いと言える。大切なのは、そういうきっかけで来てくれたお客さんにどれだけ周遊してもらえるか、どれだけその地域の他のものを知ってもらえるかという工夫、その工夫は地域側の試されるところ」


















































































































