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動物物語に見る命

作家 多胡吉郎さんと

鹿児島の作家椋鳩十が生誕120年を迎えました。
「大造じいさんとガン」「マヤの一生」など子どもの頃に読んだ人も
多いと思います。

先日のKTSライブニュースでは著書「椋鳩十と戦争」を発表した
作家の多胡吉郎さんと一緒に企画をお送りし、
かごしま近代文学館で開催中の企画展を巡りました。

椋鳩十の経歴のなかには常に「戦争」が関わっています。
椋鳩十の名前でのデビュー作は、日本が戦争へ向かっていくさなかに生まれ、
戦争中も動物物語を書き続け
戦後も戦争が人の心にもたらすものを描き続けました。

多胡さんは、
登場人物たちの言葉や動物たちの生き様の表現に
命へのまなざしが現れていると教えてくれました。
 

取材中、多胡さんが椋鳩十作品の魅力のひとつと語っていたのが
「椋語」です。
独特の擬音語が登場することから多胡さんが名付けたそうなのですが、
ここで問題です。

「ほうほう」は何がどうする様子を表していると思いますか?
想像してみてください・・・。

ちなみに、フクロウの鳴き声ではありません。

答えは・・・命を燃やす音でした。
「命の火をほうほうと燃やす」といったように使われているそうです。
椋鳩十は幼い頃、いろりのそばでおばあさんの語るお話を聞いていたそうで、
そんなところにも、あたたかい文章のルーツがあるのかもしれませんね。

朝晩は涼しくなって、秋の深まりを感じています。
椋鳩十の優しい語り口を味わう読書も、いいかもしれません。