AIが「おばあちゃんの人生」を1曲に…新しい終活"老謡"プロジェクトが感動呼ぶ【鹿児島・錦江町】
2026年9月29日(火) 11:00
ガソリンスタンドで44年、街を見守った女性の歌に涙

歌を聞いて涙があふれる 馬場みよ子さん(74)
続いて披露されたのは、錦江町に嫁いでから44年、ガソリンスタンドに立ち続けた74歳の女性の歌【おかしいだけじゃないんだよ。】だ。
♪「小学生だったあの子が免許を取って給油に来た。そのうち子供を連れてきて」「あなた、どこの子だったっけ?名前を聞いてああ!と笑った」
町の人々の成長を間近で見守ってきた日々が、1曲に凝縮された歌詞に、会場では自然と涙があふれた。
「理屈じゃないのよ、顔なのよ」 87歳のシゲ子さんが放つ最強の純恋歌

夫の満喜さん(享年82)の写真を眺める迫シゲ子さん(87)
お披露目会のラストを飾ったのは、酒屋の店主・迫シゲ子さん(87)の歌【イケメン純恋歌】だ。
♪「シゲちゃんはイケメンが好き。昔も今でもイケメンが好き。理屈じゃないのよ、顔なのよ。いい男ならすぐわかる」
シゲ子さんはご満悦の様子で「一番自分の旦那がイケメンでした」と語った。夫の満喜さん(享年82)こそ、人生で出会った男性の中で最高のイケメンだったという。
孫の泰地さんにとっても驚きの連続だった。「おばあちゃんがイケメン好きとは知らなくて、きょう知った。感動して一生孫7人で大事にしていきたい曲」。できあがった曲は、シゲ子さんが今も立つ酒屋の店内でも流されるという。
「歌があれば、おじいちゃん・おばあちゃんのことを思い出す」

老謡を企画した中村修治さん
老謡を企画した中村修治さんは、その狙いをこう語る。「故人を思い出す機会としてお墓や仏壇では限界がある。だったら歌がある。歌がずっと残ればおじいちゃん・おばあちゃんのことを思い出す」。
今回誕生した曲は、スマートフォンなどで簡単に聴くことができる。場所を選ばず、何度でも再生できる。それはつまり、故人の声と笑いが、いつでもどこでも子や孫のそばにあり続けるということだ。
AIという最先端技術が、地域のお年寄りたちの"生きた言葉"を掬い上げ、歌として残す。老謡というプロジェクトは、終活の概念をひっそりと、しかし確実に塗り替えつつある。鹿児島県錦江町で大好評だったこの試みが、やがて日本全国の「おじいちゃん・おばあちゃんの物語」を音楽へと変えていく日が来るかもしれない。


















































































































