
今月7日、種子島宇宙センターからH3ロケットが打ち上げられました。
ですが、第2段エンジンが着火せず、
所定の軌道に投入できる見込みがにないことからロケットに指令破壊信号が送られ、
打ち上げは失敗しました。

私は種子島に三度足を運び、
今回の国産の新型主力ロケット、H3ロケット関連の取材・中継を行ってきました。
種子島の盛り上がりや、
ロケットの製造に携わった技術者の思い、
打ち上げ成功を願う地元の方や、全国から集まったロケットファンの思いなど、
たくさんの声を聞いてきました。

中には、種子島に行くたびに出会う方もたくさんいて、
知り合いのように「あー!!お久しぶりです!今回も来たんですね」
という会話を何度も交わしたことも、素敵な体験でした。
打ち上げ当日は、私は発射地点から6キロ離れた、
長谷展望公園で取材をしていました。
この場所には約1100人が集まり、ロケットを見守りました。
私自身、ロケット打ち上げを見たのは初めてだったのですが、
これまで生きてきた34年間の中で感じてきた色々な感情のどこにも当てはまらないような感情になり、気がついたら目から涙が溢れていました。
地面が揺れる感じ、心臓につたわる振動、空気を震わせる轟音。
1100人が空を見上げ、
「いけー!!!」
「頑張れー!!!」
「行ってらっしゃい!!!」
と大きな声を空にかけ続けました。
そして大きな歓声。
私はこの瞬間を絶対に忘れないと思います。

H3ロケットの打ち上げは失敗しましたが、
またいつか“成功”を伝えられる日が来ると信じています。
そして、今回の種子島取材ではある素敵な家族に出会いました。
KTSライブニュースで密着取材をしていた、石川県の太田さんファミリーです。
10歳の八雲くん(やくも くん)の夢は、ロケットエンジニアになること。
本当にロケットに詳しくて、「人生で一番最高の日になる!」と打ち上げを楽しみにしていました。これからもその純粋な心で、夢に向かって頑張って欲しいです。
そして、父・嘉直さん、母・智加さん。
私は、お二人の明るさ、優しさにたくさん元気をもらいました。
またいつかお会いできたらうれしいです。
最後に7歳の紡ちゃん(つむぎ ちゃん)。
取材が全て終わった時に、嘉直さんが
「井上さんを見て、紡がテレビ局で働きたいっていうようになったんです!
種子島で夢ができました!」と教えてくれました。本当にうれしかったです。
紡ちゃんにこれからも目標にされるように、私も頑張ります。
また皆さんに、どこかでお会いできますように。