「さたでい号」35年の歴史に幕 佐多岬観光の目玉の水中展望船 【鹿児島発】
2025年10月10日(金) 18:43
佐多岬観光の目玉のひとつとして、35年にわたり運航してきた水中展望船「さたでい号」が9月30日、運航を終了しました。
「さたでい号」のあゆみと、長年にわたり船長を務めた男性の思いを取材しました。
運航期間は35年。
多くの人を魅了し、9月30日でその役割を終えた水中展望船「さたでい号」です。
定員は29人。
外からの見た目はコンパクトですが、船内に入り、階段を降りた先には水中展望室が広がっています。
さたでい号・浜田千昭船長
「クロダイのちょっと小さめが群れているので、それを狙ってお客さんに見せる」
そう話すのは、35年の運航期間のうち、22年にわたって船長を務めた浜田千昭さん。
実は最終運航日までの5日間は、台風の影響で出港ができなかったため、ゆっくりと別れを惜しむ間もなく、最後の日を迎えてしまいました。
さたでい号の就航は今から35年前の1990年7月のこと。
きっかけは、当時の竹下政権が「ふるさと創生」のため全国の自治体に、一律で配った1億円です。
それぞれの自治体で自由に使い道を決めることができ、旧佐多町は佐多岬観光の目玉にしようと水中展望船を購入しました。
サンゴ礁の群生や泳ぐウミガメが目の前で見られるとあって、「さたでい号」は人気に火が付き、就航72日目で乗客1万人を突破。
約30分のクルーズを随時運航していましたが、それでは間に合わず、翌年には「第二さたでい号」を購入したそうです。
佐多岬観光にはなくてはならない存在だった「さたでい号」。
しかし、船の老朽化に加え、北海道の知床半島沖で観光遊覧船が沈没した事故を受けて、海上運送法が改正。
これにより2026年4月から規制が強化されることになりましたが、体制を整えることができず、運航終了が決まりました。
さたでい号・浜田千昭船長
「運行管理者とかを事務所に3人は置きなさいと。最近までは船長が運行管理できた。船長が兼ねていたが『それは無理だ』と。『他の人が決めなさい』と。耐用年数が来ているからどうしようかなという時に、2024年、指摘を受けて『許可は難しい』と」
運航最終日。
さたでい号を愛してくれた地元の人たちを乗せた最後のクルーズです。
クルーズを終えて降りてきた乗客を港で迎えるひとりの女性がいました。
浜田船長の妻、優子さんです。
長年の安全運航には優子さんの力も欠かせませんでした。
夫婦二人三脚でさたでい号を運航・妻 優子さん
「船が入ってきたときに受付をしてからロープをとったりしていた。一番子供がいろいろなことがあるときにこっちの仕事もしていた。もう21~22年」
運航終了のセレモニーでは浜田夫妻に感謝状と花束が贈られました。
多くの人に海中の美しい景色を届け、35年の歴史に幕を下ろしたさたでい号。
浜田さんももう少し運航を続けたかったそうですが、これからは指定管理者として周辺施設の管理を担うそうです。
浜田船長
「あしたからちょっと1週間~10日。ゆっくりしようかと話している。2026年3月まではいます。遊びに来て下さい」
Q.35年間でどれくらいの人が乗ったんですか?
「町が合併したこともあり詳しい数字が残っていないそうですが、2024年度までの10年間では約5万2000人が乗船したそうです」
「さたでい号」のあゆみと、長年にわたり船長を務めた男性の思いを取材しました。
運航期間は35年。
多くの人を魅了し、9月30日でその役割を終えた水中展望船「さたでい号」です。
定員は29人。
外からの見た目はコンパクトですが、船内に入り、階段を降りた先には水中展望室が広がっています。
さたでい号・浜田千昭船長
「クロダイのちょっと小さめが群れているので、それを狙ってお客さんに見せる」
そう話すのは、35年の運航期間のうち、22年にわたって船長を務めた浜田千昭さん。
実は最終運航日までの5日間は、台風の影響で出港ができなかったため、ゆっくりと別れを惜しむ間もなく、最後の日を迎えてしまいました。
さたでい号の就航は今から35年前の1990年7月のこと。
きっかけは、当時の竹下政権が「ふるさと創生」のため全国の自治体に、一律で配った1億円です。
それぞれの自治体で自由に使い道を決めることができ、旧佐多町は佐多岬観光の目玉にしようと水中展望船を購入しました。
サンゴ礁の群生や泳ぐウミガメが目の前で見られるとあって、「さたでい号」は人気に火が付き、就航72日目で乗客1万人を突破。
約30分のクルーズを随時運航していましたが、それでは間に合わず、翌年には「第二さたでい号」を購入したそうです。
佐多岬観光にはなくてはならない存在だった「さたでい号」。
しかし、船の老朽化に加え、北海道の知床半島沖で観光遊覧船が沈没した事故を受けて、海上運送法が改正。
これにより2026年4月から規制が強化されることになりましたが、体制を整えることができず、運航終了が決まりました。
さたでい号・浜田千昭船長
「運行管理者とかを事務所に3人は置きなさいと。最近までは船長が運行管理できた。船長が兼ねていたが『それは無理だ』と。『他の人が決めなさい』と。耐用年数が来ているからどうしようかなという時に、2024年、指摘を受けて『許可は難しい』と」
運航最終日。
さたでい号を愛してくれた地元の人たちを乗せた最後のクルーズです。
クルーズを終えて降りてきた乗客を港で迎えるひとりの女性がいました。
浜田船長の妻、優子さんです。
長年の安全運航には優子さんの力も欠かせませんでした。
夫婦二人三脚でさたでい号を運航・妻 優子さん
「船が入ってきたときに受付をしてからロープをとったりしていた。一番子供がいろいろなことがあるときにこっちの仕事もしていた。もう21~22年」
運航終了のセレモニーでは浜田夫妻に感謝状と花束が贈られました。
多くの人に海中の美しい景色を届け、35年の歴史に幕を下ろしたさたでい号。
浜田さんももう少し運航を続けたかったそうですが、これからは指定管理者として周辺施設の管理を担うそうです。
浜田船長
「あしたからちょっと1週間~10日。ゆっくりしようかと話している。2026年3月まではいます。遊びに来て下さい」
Q.35年間でどれくらいの人が乗ったんですか?
「町が合併したこともあり詳しい数字が残っていないそうですが、2024年度までの10年間では約5万2000人が乗船したそうです」