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四国インターハイ

フェンシング競技、最終日の朝の空

四国を舞台に熱戦が続く、全国高校総体=インターハイ。


私は、8月6日~8月8日にかけて、
徳島県と香川県で、陸上競技とフェンシング競技の取材をしました。


今日はフェンシング競技について、
放送では伝えきれなかった部分も含めて取材後記を書きたいと思います。
初めに言っておきますが、長いので、お時間許す方は最後まで読んで頂けるとうれしいです。

 

競技最終日の8日に取材をしたフェンシング学校対抗。

県代表は男女ともに、鹿児島南高校が出場。
特に男子チームは、インターハイの前からたくさん取材をさせて頂いていました。

各チーム3人が総当たりで対戦する学校対抗戦、
先に5勝したチームが勝ち上がります。

 

男子チームで最終日の試合に出場したのは、
キャプテンの岡村怜音(おかむら・れおん)選手、2年生エースの鎌田晃成選手(かまた・こうせい)、1年生の上出桐選手(かみで・きり)。
私には想像ができないような世界で日々自分と、フェンシングと向き合う中たどり着いた全国の舞台。 
チームは去年のベスト8を超える、3位に輝きました。
しかし、試合後の選手達の目から流れる涙は止まりませんでした。
「優勝を狙えるメンバーがそろっているので“優勝を狙う”」大会前にそう誓っていた選手たち。様々な思いが溢れたのだと思います

 

それぞれの選手への思いを書きます。

◆岡村怜音キャプテン(おかむら・れおん、3年生)
チームのキャプテンであり、精神的支柱の岡村選手。
「サーブルとフルーレのどちらも日本一を目指したい。それにチャレンジできる環境が鹿児島南にある」と、山形県から鹿児島にやってきました。
インターハイ前には「鹿児島で3年間やってきて良かったと思えるインターハイにしたい」と話していました。
目標としていた個人フルーレでの出場は叶いませんでしたが、個人サーブルで6位入賞。
取材をしていても、誰よりも長く練習をし、絶対に妥協をしない岡村選手。
きっとフェンシングのことで頭がいっぱいで、フェンシングが大好きなんだなと、その姿から感じます。

学校対抗の準決勝(龍谷大平安戦)では、泣き崩れる後輩の背中を毅然とさすっていました。

最終日の2回戦、3回戦、4回戦。
試合を取材していて、岡村選手の気迫がもの凄かったのを今でも思い出します。
3年生として、キャプテンとして、チームのために絶対勝つという思いが、
その姿から伝わってきました。
準決勝敗退後のインタビューでは「秋の国体で絶対日本一を取る」と話してくれました。
岡村キャプテンが率いるこのチームが、国体で表彰台の一番高い場所に立つ姿を楽しみにしています!!

 

◆鎌田晃成選手(かまた・こうせい、2年生)
中学1年生の頃から取材している選手。
当時は「フェンシングの駆け引きがとても楽しいです」と、
中学生ながら、鹿児島南高校の練習に参加していた幼かった少年は高校2年生になり、
名実ともに鹿児島南のエースに成長していました。

優勝を目指した個人フルーレは、予選トーナメント2回戦で敗れてしまいました。
鎌田選手にも様々な思いがあったと思います。
その日の全ての試合が終わった後に、鎌田選手の気持ちが落ち着いたら話を聞こうと思っていたのですが、個人フルーレのあと鎌田選手の方から少しお話をしにきてくれました。
その中で「もう絶対に学校対抗は優勝します」と力強く話してくれました。

学校対抗戦の鎌田選手は、集中力がすごくて、鬼気迫るものがあって、なんと言葉で表したらいいのか分かりませんが、、、揺るがない決意をもったエースの姿がそこにはありました。

準決勝敗退後は涙がとまらなかった鎌田選手。
それでも「優勝できなくて悔しいけど、力は出し切れた」と話してくれました。
そして、来年のインターハイは後輩の上出選手と、強いチームになってまた帰ってくると真っすぐな目で話してくれました。
それでも、インターハイを通じて成長した鎌田選手を短期間ではありましたが見ることができました。
応援していてワクワクする選手です。これからも活躍を見守っています。

◆上出桐選手(かみで・きり、1年生)
今回インターハイ初出場ながら、個人フルーレで5位入賞を果たしました。
東京都出身の上出選手は、2年生の鎌田選手に憧れて鹿児島南の門を叩きました。

個人フルーレでは、優勝した龍谷大平安の菊元選手に敗れましたが、その後のインタビューでは「いつもなら決まる自分の得意なパターンが通用しなくて、全部封じ込められた」と話していましたが「レベルの高い選手との対戦は楽しい」とも話してくれました。
試合を進める度に目に見えて成長を感じ取ることができた上出選手。

学校対抗の準決勝では、「先輩を表彰台の一番高いところに立たせてあげたい」と意地の勝利もありました。しかし敗戦後は人目もはばからず泣いていました。
それでも表彰式後には笑顔で「準決勝では緊張して心臓がバクバクしすぎて、ずっと口から飛び出しそうでした…」と話してくれました。
上出選手の笑顔が見られてホッとしました。

まだまだ成長著しい1年生。
近くにいる岡村選手や鎌田選手のもとで、さらなるパワーアップを期待しています。

 

鹿児島南高校フェンシング部のおかげで、
私はフェンシングの魅力にどっぷりはまり、大好きになりました。

チームはこれから秋の国体での優勝を、同じメンバーで再び目指します。
これからの活躍も応援しています!


そして、インターハイは今月23日まで続きます。
これから試合がある選手の皆さん、体調に気を付けて頑張って下さい!!!