消滅の危機に直面する自治体 生き残り戦略と課題 「ふるさとをいい形で残したい」
2025年10月17日(金) 09:00
成果が見え始めた与論町
与論町の転入者と転出者の推移は年によって浮き沈みはあるが、徐々に転入者が上回る傾向に転じている。与論町建設課の日高さんも「人口は減少しているが緩やかになっている。移住者で制度を利用した家に住み子どもが生まれたという声を聞いて実感した」と効果を実感している。
こうした取り組みの成果として、2024年に発表された新たな30年後の人口推計では、若年女性の減少率は前回の72.9%から31.4%へと大幅に改善。与論町は「消滅可能性自治体」からの脱却に成功した。
依然として課題を抱えるさつま町

上野俊市町長
一方で、鹿児島県内では依然として15の自治体が消滅可能性自治体に分類されている。その一つ、さつま町はこの10年で人口が4000人以上減少し、2024年9月1日時点では1万8000人を下回った。住宅の新築費用や転入者への家賃補助を充実させてはいるが人口増加に結びついていないのが現状だ。
町内で生まれ育ったクリーニング店の店主は「昔は八百屋さんやお肉屋さん、お米屋さんがすぐ近くにあった。なくなったことで買い物が不便になった。寂しいですよね」と町の衰退を実感している。
上野俊市町長は消滅可能性自治体と2度分類されたことに対し「一喜一憂するわけではない」としながらも「生産年齢人口が減っていることはやはり、一番影響が大きい」と話す。その上で「この町を選んでもらうためには核となるものが必要。その核は何だろうと探しているが、なかなか見つからないのが本音」と胸の内を明かした。
地域の未来を考える
多くの自治体が人口減少という課題と向き合う現代、生き残りをかけたアピール合戦が繰り広げられている。与論町の住民は「子どもたちがたくさんいる島」を、さつま町の住民は「さつま町っていいところ。いい形で残してあげたい」と願う。
生まれ育ったふるさとが消滅しないために、住民も行政も当事者意識を持ち、一体となって地域の未来を考えていくことが求められているのではないだろうか。


















































































































