今月8日から公開された映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』。
あらすじは…
現代の女子高生・百合が目を覚ますと、そこは1945年の日本。
そこで出会った彰(あきら)に何度も助けられ恋をしますが、彼は特攻隊員で
ほどなくして戦地に飛び立つ運命だったー。
この映画の原作者が、鹿児島出身の汐見夏衛先生です。
原作は2016年に刊行され、7年の時を経て実写化映画化、公開を迎えました。
先日鹿児島市で行われた、この映画の舞台挨拶。
汐見夏衛先生と、西麻美プロデューサーが登壇されました。
私はこの舞台挨拶で司会を担当。
実は、私にとっては悲願の汐見先生との対面でした。
…というのも、
去年の夏、私は「KTSライブニュース」で、この原作をテーマに取り上げ特集を制作していたからです。その際、汐見先生にオンラインインタビューをさせていただきました。
「風化させてはいけない」
「私ができる伝え方で、伝えられる方法で、若い世代に伝えていく」
「読者が自分から“主体的”に向き合うことで、次の世代に伝えていくことができる」
先生の一つ一つの言葉が胸に響きました。
舞台挨拶では、
汐見先生の「日常は当たり前ではない」と言った言葉や、重富中学校(姶良市)での特別授業では福山雅治さん書き下ろしの主題歌「想望」を生徒が合唱してくれた話。
そして西プロデューサーが、最初、彰役は演じるのがとても難しいと思っていて、ぴったりな俳優さんがいるかな…と思っていたら、水上恒司さんがぴったりでビックリしたという話など…映画制作の様々な話を聞くことができました。
私にとっても忘れられない、貴重な時間となりました。
舞台挨拶にお越し下さった皆さん、ありがとうございました。
そしてこの機会に、私が大切にとっている人形の写真を撮ってみました。
これは去年私が、汐見先生の小説をテーマに特集を作った際に、
取材で出会った女性から頂いたものです。
戦時中、特攻隊員の食事や洗濯など身の回りの世話をする知覧高等女学校=通称なでしこ隊がいました。
福岡に住む三宅トミさん。当時はなでしこ隊の一員でした。
この写真の人形は、トミさんが飛び立つ特攻隊員に手渡していたという手作りの人形を、
当時の作り方を思い出しながら、作ってくれたものです。
トミさんはこう話してくれました。
「特攻隊員を見送ったあと、家に帰って号泣していた」
「孫たち、ひ孫たちに私たちみたいな思いはさせたくない。私たち一代でいい。もう十分です。あんな時代は」
世界中で争いが絶えない今の時代だからこそ見て欲しい作品です。
あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。