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駅伝

全国高校駅伝のスタート・フィニッシュ会場


12月20日。


男子第71回 全国高校駅伝
女子第32回 全国高校駅伝が
京都・都大路を舞台に行われ、
私も現地に取材にいきました(体調は万全、常時マスクを着用しています)。


男子県代表は鹿児島実業、
女子県代表は神村学園でした。


特に神村学園は、
2018年には県勢女子初の優勝、
2019年は準優勝、
そして今年は2年ぶりの優勝に燃えていました。


大会前、就任32年目の有川哲蔵監督が
「過去最強のチーム」と言うほどの仕上がり具合。


去年は、優勝した仙台育英(宮城)に19秒届かず、
連覇の夢は叶わなかった神村学園。
その“19秒”を埋めるための練習を、この一年間してきました。


ここぞの場面で競り負けないスピードを強化するため、
短距離的動作を意識した練習を取り入れたり、
疲れたときに浅い呼吸になり、失速するのを防ぐ為、呼吸方法まで徹底しました。


そして満を持して挑んだ今年の全国高校駅伝。
優勝には25秒届きませんでしたが、堂々の2年連続準優勝という結果でした。
しかし、レース後の選手たちの目には悔し涙があふれていました。


取材を通して感じた、それぞれの選手への思いを書きます。

 

◆1区 黒川円佳選手(3年)
ひきわり納豆が大好きだと笑う黒川選手。
仲間思いで、チームメイトがケガをした際には、元気が出る詩を贈ったそうです。
大会前、チームで一番調子を上げていた黒川選手は、
今年初めて最長区間6キロのエース区間に抜擢されました。
しかし、都大路は黒川選手に味方してくれませんでした。
ラストはずっと上り坂の1区。
スパートをかける他校の選手たちについて行けず、11位でタスキを渡しました。
レース後、涙を流しながら「自分が出せる力は出し切れたので悔いはないです」と話してくれました。
心優しい黒川選手。
今後も陸上を続けると言うことで、さらなるレベルアップを楽しみにしています。



◆2区 久保心優(みゆ)選手(2年)
中学3年生の時、神村学園が全国初優勝を果たし、報道陣に囲まれてインタビューに答える
先輩達の姿に憧れて、神村学園に進学してきました。
とにかく負けず嫌いな久保選手。
「勝負事では、先輩後輩関係ない」
そうきっぱり言う彼女の強気な性格が、私はすごく好きです。
初めての都大路では2区を任され、区間順位は12位でした。
試合後は、誰よりも泣いていました。
「自分の実力不足です…。このままだと勝てないので、一からまた頑張って優勝を目指したいです…」
声を振り絞ってそう答えてくれました。
表彰式後、久保選手に
「かっこよかったよ、また一年だね。お疲れ様」と声をかけると
「絶対に強くなります」と、また目に一杯涙をためて話してくれました。
この悔しさを力に、彼女の成長に期待したいです。



◆3区 中須瑠菜キャプテン(3年)
中須選手は1年では優勝、2年では準優勝を経験し、
去年からキャプテンを務めています。
最初は、慣れないキャプテンの重圧に一人涙したこともあったそうです。
全国でもこれだけの強豪校である神村学園を引っ張るのは、本当に大変だったと思います。
中須選手の両親に話を聞くと
「引っ込み思案で、人前で話すのが本当に苦手な子だったんですけど、
神村学園に入ってキャプテンになって変わりました」
と言う言葉通り、
今回レース後に、涙をこらえ
レースをともに戦った選手一人一人のもとへ行き、声をかけている姿が本当に頼もしく、かっこよかったです。
また、中須選手は今大会3区区間賞でした。
今後も陸上を続ける中須選手、どんな選手になっていくのか見守りたいと思います。



◆4区 鳥居華選手(3年)
2年連続4区を任された鳥居選手。
下級生が力を付けてきたこともあり、駅伝メンバーから外されたこともありました。
「正直心が折れそうなときもありました」と私に話してくれました。
それでも、努力を止めませんでした。
その結果、今大会では大会前日にメンバー入りすることが決まりました。
出場できない仲間の思いも背負って、鳥居選手は4区を駆け抜けました。
去年わずか2秒届かず逃した区間賞、今年は見事区間賞を獲得しました。
それでも、チーム優勝を目指していただけに、涙があふれていました。
とっても小柄な鳥居選手ですが、走る姿はダイナミックで引きつけられます。
高校卒業後も陸上を続ける鳥居選手。
小さな鳥居選手が、これからどんなビッグな選手になるのかわくわくします。



◆5区 バイレ・シンシア選手(3年)
去年は2区を走り、13人抜き、区間2位の快走でした。
しかし、レース後「悔しいです…来年は絶対一番をとります」と大粒の涙を流しながら話してくれました。
そして今年はアンカーの5区。
大会前には「30~40秒差なら逆転できる」と話してくれました。
実際はトップと19秒差でタスキを受け取ったシンシア選手。
一時はトップに立ちましたが、残り1キロで右足を痛め失速、
広島・世羅高校の選手にかわされ、結果は2位でフィニッシュ。
痛む足で必死に仲間がつないできたタスキをゴールまで運んだシンシア選手、
レース後には、立ち上がることが出来ないほどでした。
全国から注目され、プレッシャーも相当あったと思います。
シンシア選手がまた元気に走る姿を見られることを、楽しみにしています。



私は数年間にわたり、神村学園駅伝部を取材していますが、
毎回選手達の情熱や、努力には頭が下がります。


今年の悔しさを、下級生がどのような形で晴らしていくのか楽しみです!!


また、2021年1月3日午後1時から
特番で、神村学園駅伝部の特集もお伝えします。
ニュースでは伝えきれなかった裏側など、
この冬駅伝に本気で挑んだ彼女たちの姿を追いました。
ぜひ、ご覧ください!!