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8年間

伊佐市菱刈カヌー競技場


先日、一人の高校生アスリートが8年間の競技生活に幕を下ろしました。
カヌー競技の尾上楓選手(曽於高校3年)です。


私が彼女の存在を初めて知ったのは2018年。
曽於市が発行する広報誌「市報そお」に載っていた
“尾上選手が市長を訪問”という記事を見たのが最初でした。
市長の横で、はじけんばかりの笑顔で写真に収まっていた彼女を見て、
どこか惹かれたのを今でも覚えています。
 

2018年に取材した際に撮影、尾上選手は当時高校1年生


それから取材をすることになり、実際に会ってみると
目標が高くて意志が強く、とても負けず嫌いで、
その分努力を惜しまない魅力的な選手でした。

2019年に取材した際に撮影、尾上選手は当時高校2年生


小学4年生でカヌーに出会うと、
中学生の時には全国大会で優勝。
高校生になると、日本代表としてアジア大会にも出場しました。


初出場した2018年のインターハイでは5位。
鹿児島でカヌー競技が行われた、2019年のインターハイでは4位。


そして、高校3年生となり集大成となることしは、
インターハイでの優勝とかごしま国体での優勝を目標に掲げ、
日々厳しいトレーニングに励んできました。


しかし、新型コロナウイルスの影響でインターハイは中止、
かごしま国体は延期になりました。






数々の大会が中止となる中、
尾上選手は自分自身とじっくり向き合い、
鹿児島の高校生アスリートの区切りとなる大会
「かごしまメモリアルマッチ2020」を最後に現役生活を引退することを決めました。


7月25日、その最後のレースを取材してきました。
インターハイや国体での優勝を目標にここまで練習してきた尾上選手は、
女子カヤックシングル200m決勝で圧巻のレースを見せ、
自己ベストの45秒41のタイムで1位でフィニッシュ。
ラストレースで、負けず嫌いな彼女が最後に見せた意地のように感じました。


レース後の彼女は、私がこれまで見てきた中で間違いなく一番の笑顔をしていました。


今後は、選手を陰で支えていけるような“トレーナー”の道に進みたいそうです。
「選手だった自分だからこそ、分かることもある」と、彼女が話してくれました。


レースの度に速くなる彼女を取材するのが本当に楽しかったです。
尾上楓と言う選手に出会えたことが、私の宝物です。


8年間本当にお疲れ様。
そして、こらからも陰ながら新たな目標を応援しています。