85歳ドライバーの踏み間違いで1人死亡 鹿児島地裁は禁固3年・執行猶予5年の判決
2026年1月16日(金) 10:00

85歳被告の踏み間違いで1人死亡 裁判が示した判断
鹿児島市下荒田での死亡事故で4人を死傷させた85歳女性に対し、1月15日、鹿児島地裁は禁固3年執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。高齢ドライバーによる事故の責任が問われた裁判の結末に注目が集まっている。
足早に入廷する被告、判決は禁固3年執行猶予5年

吉崎順子被告
2024年11月、鹿児島市下荒田1丁目で発生した交通事故の判決公判が鹿児島地裁で行われた。アクセルとブレーキを踏み間違えて車を暴走させ、4人を死傷させた罪に問われている吉崎順子被告(85)に対する判決である。
午後2時前、マスクをした吉崎被告は足早に鹿児島地裁に入った。
判決公判では、黒のズボンとジャケットに身を包み、ピンクのハンカチを握りしめて証言台に立った吉崎被告の姿が見られた。小泉満理子裁判長は「禁固3年に処する。この日から5年間、刑の執行を猶予する」と判決を言い渡した。
事故の詳細と被害状況

鹿児島市下荒田1丁目(2024年11月)
判決などによると、吉崎被告は2024年11月、鹿児島市下荒田1丁目で普通乗用車を運転して交差点を右折する際にブレーキとアクセルを踏み間違え、横断歩道と歩道にいた男女4人をはねた。
この事故では、歩道上にいた姶良市の会社員の男性が死亡。さらに3人が重傷を負うという深刻な被害が発生した。吉崎被告は起訴内容を認めていた。
小泉裁判長は判決の中で「死亡した被害者は安全が確保された歩道で突然事故に遭い、その苦痛や無念は言い尽くせない」と述べ、被害の重大性を指摘した。
75歳以降に6回の事故、免許返納の判断に言及

判決が投げかける課題とは
裁判の過程では、吉崎被告が後期高齢者となった75歳以降に、今回の事故を含めて6回の交通事故を起こしていたことも明らかになった。この事実は、高齢ドライバーの運転継続の是非について改めて問題提起するものとなった。
しかし小泉裁判長は、判決理由の中で「吉崎被告が起こした5回の交通事故についてほぼ毎日、自動車を運転していたことを踏まえると、事故を高頻度に起こしていたとは言いがたい」と指摘。
また「事故の2週間前の免許更新の際、適正検査で異常がみられなかったことから、運転免許を返納しなかったことを直ちに非難することができない」などと述べ、被告の判断に一定の理解を示した。
高齢ドライバーの安全運転をめぐる社会的課題
この判決は、高齢化が進む日本社会における自動車運転の安全性と、高齢ドライバーの免許返納の判断基準について改めて考えさせる機会となった。特に地方都市では公共交通機関の利便性の問題から、高齢者にとって自家用車が生活の足として重要な役割を果たしている現状がある。
高齢化が進む日本社会において、安全な運転環境の確保と高齢者の移動手段の確保という双方の課題に取り組む必要があると考える。

















































































































