金価格急騰で注目集まる“地下の金” 鹿児島・菱刈鉱山の秘密と最新DX
2026年1月22日(木) 10:00

わずか1年で“金”が急騰! 鹿児島が誇る鉱山で見た“温泉が湧く坑道”と採掘の最前線
2万6191円。2026年1月20日に発表された金1グラムあたりの価格だ。2025年初めには1万5000円ほどだった金価格は、わずか1年で1万円以上も上昇している。世界情勢の不安定さから通貨の信用が低下し、安定資産として金を求める人が増えていることが要因だという。その“金”の全国有数の産地が鹿児島にある。
鹿児島は全国有数の金産地

金が地下にたまるメカニズム
県内には金鉱山が8つあり、現在も菱刈鉱山、春日鉱山、岩戸金山鉱山、赤石鉱山の4つが稼働している。国内の金の累計産出量トップ10のうち、4つが鹿児島の鉱山が占めていて、鹿児島県は全国有数の金産出地域である。
鹿児島で金が豊富に採れる理由について、資源経済学、鉱山学が専門の鹿児島大学・志賀美英名誉教授は「マグマ活動が活発な地域には金鉱床が生成しやすい特徴がある」と説明する。
金が地下にたまるメカニズムはこうだ。地下にしみこむ雨水がマグマに近づくにつれて岩石に含まれる金も溶け込み、その金を含んだ水がマグマの熱によって岩石の割れ目を通って上昇する。地表に近づく際に溶けていた金がたまり、鉱脈という金がちりばめられた帯状の塊ができる。活火山の多い鹿児島は、まさに大地の恵みとして金を育んできたのだ。
菱刈鉱山は質の高い鉱石が特徴

金の産出量日本一を誇る菱刈鉱山
金の産出量日本一を誇る伊佐市の菱刈鉱山では、年間約15万トンの鉱石が出荷され、そこから精製される金は約3.5トン。少なく感じるかもしれないが、菱刈鉱山の前田敏明鉱山長は「非常にいい鉱床で濃度が高い」と話す。
前田鉱山長によると、1トンあたりに含有される金の量は、海外の鉱山は平均すると2g。1gを切るところもあるが、菱刈鉱山は実に20gくらいだという。鉱石の質の高さがわかる。
坑道内部に温泉が湧く特殊な環境

坑道の最深部では温泉が湧き出ていた
特別な許可を得て菱刈鉱山の内部を取材すると興味深い光景が広がっていた。鉱山の最も深い部分は坑道入口から345m下った場所にあり、そこへ向かう途中、路面が濡れている箇所が現れた。
坑道の入り口から約15分進むと、最も深い場所で温泉が湧き出ているのを確認。この場所は「抜湯室」と呼ばれ、毎分9トンもの温泉水を抜く作業が行われている。菱刈鉱山ではマグマで温められた雨水が温泉として沸き続けているのだ。


















































































































