
奄美諸島、沖縄の人々は誰もが知っている闘牛の歌「ワイド節」を作曲した奄美の島唄名人・坪山豊が、2020年の夏、89年の生涯を閉じた。
本業は漁船などに使われる木製の舟「アイノコ舟」を造る船大工。
坪山の遺作に「すとごれ節」という島唄がある。“負けてたまるか”という意味合いがある奄美のことばだ。

「すとごれ節」の歌詞には琉球王朝、薩摩藩、米軍統治下と時代に翻弄された奄美の歴史、離島で生きる島の人々の喜び・悲しみ・怒りが込められている。
しかし、ほとんどの島民はその唄の存在さえ知らない。
かつての坪山の弟子たちが、この「すとごれ節」を通し混迷する世の中を生きる島民へエールを送る様子を追った。