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ニュース・スポーツ

和牛もお茶もウナギも鹿児島が日本一!でも知られていないのはなぜ? しつこく言い続け『第一想起』の壁を打ち破ろう!

2025年12月19日(金) 15:00

いきなりクイズを。「和牛」「お茶」「ウナギ」の生産量日本一は何県? 答えはいずれも「鹿児島県」だが、東京で同じ質問をしても「鹿児島」という回答は出てこなかった。なぜ、日本一の実績が全国的認知度につながっていないのか、深掘りしてみた。

「和牛といえば」挙がるのは神戸に松阪、それに宮崎

東京・新橋で街頭インタビュー 残念ながら「鹿児島」という回答は無し

街頭インタビューの“名所”のひとつ、東京のJR新橋駅前を行き交う人にマイクを向けた。

「和牛といえば」という質問に返ってきた答えは「神戸」「松阪」「宮崎」。
「お茶どころといえば」には「静岡」、「うなぎの産地といえば」には「浜松(静岡)」「浜名湖(静岡)」と、残念ながら「鹿児島」という答えは一回も聞けなかった。

食をテーマにした雑誌のアンケート結果でも、和牛の認知度上位は松阪、米沢、神戸といった名前が占め、鹿児島は、宮崎、佐賀の後塵を拝し中位にとどまっていた。

鹿児島は2022年の全国和牛能力共進会、いわゆる「和牛オリンピック」で日本一を獲得していて、質、量ともに日本一なのだ。なぜその事実が全国的な認知度向上につながらないのだろうか。

専門家が指摘「第一想起」とは?

“○○といえば○○”「第一想起」を覆すのは難しいと語る江副さん

理由として浮かび上がったのが「第一想起」の壁だ。「第一想起」とは、あるジャンルを聞いた時に消費者が真っ先に思い浮かべるブランドや商品のこと。和牛の場合は「松阪」や「神戸」がまさに第一想起と言える。

広告業界でキャッチコピー作りに携わってきた江副佑輔さんは「○○といえば○○というのが第一想起。『先行優位性』という言葉があって、第一想起を取れると消費者や生活者が商品を購入するとき、優位に働く」と説明する。

そして「松阪牛、神戸牛が第一想起として強いブランドがあった時、後発組はイメージ払拭が大変。いざ、生産量などで1位を取ったとしても強いところは強い」と指摘する。

「日本一のイメージ植え付けを!」地道に続く取り組み

牛肉ブランド「鹿児島黒牛」のミスジ 適度な霜降りが特徴

もちろん鹿児島の和牛関係者も手をこまねいているわけではない。

「鹿児島黒牛」というブランド。実は鹿児島で生産された和牛の総称ではなく、JA鹿児島県経済連とナンチク(本社・鹿児島県曽於市)が出荷する牛肉のブランドだ。

県経済連の下永吉功一肉用牛事業部長は「2020年から東京食肉市場に出荷を始めた。東京の人に『鹿児島黒牛』という名前を目にする機会、食べてもらう機会が増えている」と話す。その上で「『和牛オリンピック』で日本一という称号を持っているので日本一のイメージの植え付けは大事」と強調した。

認知度向上の動きはほかにも。手がけた牛を「窪田牛」という独自ブランドで展開している霧島市の窪田畜産。「かごしま農業女子プロジェクト」の会長も務める同社の窪田加奈子さんは「他のメンバーと付き合いながら、ブランディングも大事なので、仲間づくりにも力を入れ、県外の人に鹿児島を知ってもらい、黒牛も知ってもらう」と、和牛の枠を超えた農家の連携を進めている。

県も「和牛といえば鹿児島県産」ののぼりやポスターを県内外の店舗に置いてもらう取り組みを進めている。県畜産振興課・上山勝行畜産流通対策監は「神戸牛などに追いつく取り組みをしたいが、認知度を上げるには地道な取り組みが必要」と気を引き締める。

第一想起を破るため「しつこく」「驚きの創出を!」

「驚くと、その内容が記憶に残りやすい」と語る有倉教授

「第一想起」打破の成功例として江副さんが挙げるのが「宮崎のマンゴー」だ。「東国原元知事が『マンゴー、マンゴー』と言ったように、しつこく言っていく。特に広告業界ではしつこく伝え続けることで立ち位置が明確化され、『○○といえば○○』ということが皆さんの頭の中に浸透していく」と説明する。

心理学が専門の鹿児島大学・有倉巳幸教授は「『えっ?鹿児島が一番だったの!?』という驚きをどういう形で創出するか。驚くということは、その内容について記憶に残りやすい」と、意外性の効果を指摘する。

お茶については、インタビュー結果でも「静岡」と答えた人が圧倒的に多かった。これについて江副さんは「教科書の影響が大きい」と指摘する。確かに「お茶の生産量1位は静岡」と学校で教えられた人が多かったのではないか。

しかし2024年、荒茶生産量日本一となったのは鹿児島だ。県茶業会議所の光村専務理事は「鹿児島が荒茶生産量日本一になったことが、教科書になれば大きい」と期待する。

第一想起という壁を前に、鹿児島の日本一を全国に浸透させるのは時間がかかるかもしれない。しかし、関係者の地道な取り組みが実を結び、いつか「和牛、お茶、ウナギといえば鹿児島」が第一想起となる日が来ることを期待したい。

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