「チーターぐらい速い」子どもたちも驚いた マスターズ陸上世界3位の"先生ママ"とは【鹿児島】
2026年10月20日(火) 14:00

鹿児島県鹿屋市に住む 東郷博乃さん(42)
アスリート、小学校の先生、そして母親。鹿児島県鹿屋市に住む東郷博乃さん(42)は、その三つの顔を持ちながら、今日もトラックを駆け抜ける。2026年8月、韓国で開催された「世界マスターズ陸上競技選手権」の100メートルで銅メダルを獲得した東郷さん。練習に使える時間は、家事と育児が終わった午後8時半以降のわずか1時間ほど。それでも「まずは楽しく走ること」と言い切るその姿は、地域の子どもたちにとっても、大人たちにとっても、大きな刺激となっている。
韓国の舞台で「まさか」の銅メダル

「世界マスターズ陸上競技選手権」で東郷さんは銅メダルを獲得した
鹿屋市の陸上競技場で、一人黙々とトレーニングに励む女性がいる。東郷博乃さん、42歳。中学校時代に部活動で陸上を始め、長男を出産した際に一時競技から離れたこともあったが、マスターズ陸上の世界へと活躍の場を移してきた。
マスターズ陸上とは、5歳ごとに区切られた年齢別カテゴリーで同世代と競い合う大会だ。東郷さんはこの舞台で29歳と32歳のときに日本記録を更新するなど、国内では輝かしい実績を積み上げてきた。「マスターズになってから12回ぐらい(大会記録を)塗り替えた」と本人も振り返るほど、その走りは年齢を重ねてなお衰えを見せない。
そして迎えた2026年8月の世界大会。100メートルで12秒61を記録し、見事、銅メダルを手にした。
「決勝に行けたこともびっくりだったが、まさか3位に入れるなんて本当に思っていなかったので、メダルをもらったときに国旗が後ろにあったのを見て、改めて実感して泣きそうになった」
東郷さんの実家の部屋には、これまで手にしてきた盾や賞状が所狭しと並ぶ。そして今、その中に世界3位の銅メダルが加わった。
「チーターぐらい」ーー学校での顔

児童に囲まれる東郷さん
平日の東郷さんは、鹿屋市の祓川小学校で「特別支援教育支援員」として勤務している。児童の学校生活や学習をサポートする仕事だ。取材が訪れたこの日は、週末に控えた運動会の練習の真っ最中。リレーの練習では、他の誰よりも大きな声を出して子どもたちを鼓舞する東郷さんの姿があった。
休憩時間になると、東郷さんの周りにはいつも子どもたちが集まってくる。「先生、どうやったら勝てますか?」と問いかける児童に、「みんなのバトンパスだよ」と笑顔で返す。
「優しくて気遣いができて、とにかくみんなのことに気を配って安全にしてくれる先生」と子どもたちは口をそろえる。東郷先生のすごいところを問われると、「足の速さです。チーターぐらい」「本気で走ったところは見たことないですが速いと思います。世界3位だから」と、子どもらしい言葉が返ってくる。
祓川小学校の牧野忠彰校長も「びっくりした」と東郷さんの活躍を喜び、運動会でサプライズを企画した。東郷さんの本気の走りを児童たちに見せたのだ。あまりの速さに会場が一瞬、静まりかえったという。
ちなみに、欠席した児童の助っ人としてリレーに出走したことがあるかと尋ねると、「1回したことがあるが、そのとき全力で走ったつもりはないが、子どもたちからのブーイングがすごくて却下されました」と笑いながら明かした。
















































































































