「世界中の人を救いたい」14歳が取得した"ドローン減災士" 熊本地震で早くも出動【鹿児島発】
2026年10月2日(金) 17:00

全国最年少の「ドローン減災士」中村輝斗さん(14歳)
2026年7月の熊本地震をはじめ、全国で災害が相次ぐ中、「ドローン減災士」という新たな資格が注目を集めている。被災地でドローンを操り、被害確認や捜索活動を担うこの資格を、全国最年少となる14歳で取得した中学生が鹿児島にいる。「世界中の人を救えるのではと思った」――そんな大きな夢を胸に、災害現場へと踏み出した少年の姿を追った。
体育館で5分、黄色いボールを探し出す

ドローンを操縦し わずか5分で体育館の中の小さなボールを発見
鹿児島県霧島市隼人町にある日当山中学校の体育館に、低いモーター音が響く。ドローンを操るのは、3年生の中村輝斗さん、14歳だ。
記者から「体育館のどこかに隠した黄色いボールを探してほしい」と依頼を受けた輝斗さんは、まず上空から広い体育館全体を見渡し、それから少しずつ高度を下げながら隅々まで丁寧にチェックしていった。2階の柱の裏を丹念に調べたとき、モニター越しに黄色い物体が現れた。
「黄色いボールが見つかった」
所要時間はわずか5分。数センチ単位で機体を精密に操る指さばきは、繊細そのものだった。一分一秒を争う災害現場では、こうした高い技術が命を救う可能性を高める。
ドローン減災士とは何か

ドローン減災士協会鹿児島支部の 小森園豪支部長
ドローン減災士は、災害現場でドローンを活用し、被害を抑えることを目的とした民間資格だ。2021年に始まり、現在は全国で約400人が認定を受けている。
ドローン減災士協会鹿児島支部の小森園豪支部長は、その意義をこう語る。「土砂崩れや浸水した地域は危険で人が立ち入れないが、ドローンなら安全に上空から状況が把握でき、情報伝達のスピードが格段に上がる。夜に体温を検知して遭難者を探すこともできる」
人が踏み込めない場所へ、ドローンが目と耳になって情報を届ける。技術の発達が生み出した、新たな被災地支援の形である。
「目の前が全部水で川みたいだった」

ドローン減災士に全国最年少で認定された(2026年7月)
輝斗さんがこの資格を目指した背景には、自身の被災経験がある。
2025年8月8日、鹿児島県内で線状降水帯が2度発生し、霧島市に大雨特別警報が発表された。輝斗さんが暮らす霧島市日当山地区は、特に浸水被害が激しかった地域のひとつだった。
「目の前が全部水で川みたいだった。花壇も全部水に浸かっていて、水がここまで来ていた」
生まれて初めて感じた命の危機。幸い、家族にけがはなかったが、水が引いた後は断水が続いた。災害の恐ろしさと、被災後の生活の不便さを身をもって体験した輝斗さんは、その後「ドローン減災士」という資格の存在を知る。
「みんなの役に立ちたいという気持ちが小学生のころからあって、資格を取ろうと思った」
そう決意した輝斗さんは、減災士の講習を受け、勉強を開始した。弟の瑛士さんによれば「3時間くらい勉強をしていた。教科書を見たりしていた」という。その努力が実を結び、2026年7月、念願のドローン減災士に全国最年少で認定された。
















































































































