奄美大島・徳之島の世界自然遺産登録から5年 観光と自然保護の両立、現状は
2026年7月30日(木) 18:30
鹿児島県の奄美大島と徳之島が世界自然遺産に登録されてから7月で5年です。
奄美大島では2025年1年間の来島者が約45万人と過去最多を記録し、観光需要が高まっています。
一方で、自然観察のルールやマナーでは新たな課題も。
奄美支局の麓記者が取材しました。
奄美支局・麓伊賀久記者
「いました。アマミノクロウサギです。奄美大島と徳之島を代表する生き物です」
7月上旬、奄美市の山中で出会ったアマミノクロウサギ。
奄美大島と徳之島だけに生息する国の特別天然記念物です。
天敵のマングースの駆除などで個体数は増加しています。
電線にはこちらも固有種で国内最大級のネズミ、ケナガネズミがいました。
希少な生き物が数多く生息する奄美大島。
生物多様性が評価され、徳之島と沖縄島北部、西表島とともに2021年、世界自然遺産に登録されました。
当時はコロナ禍で観光客が激減していましたが、その間に環境省や地元自治体などが取り組んできたのが、観光と自然保護の両立を目指した生き物観察のルール作りです。
そのルールが適用されている奄美市住用町の市道「三太郎線」。
夜行性の生き物を観察するナイトツアーで人気のスポットです。
それまでは自由に行き来できる場所でしたが、生き物の安全を確保しつつ、質の高い自然観察ができるように夜間の通行を30分ごとの予約制にするなどのルールが設けられました。
その三太郎線をガイドと一緒に通ってみました。
奄美市のネイチャーガイド・越間茂雄さん
「道路は日光もよく当たり、柔らかい下草がどんどん生えてきて、森の中と違い餌が豊富」
アマミノクロウサギの習性についてガイドから説明を受けながら、車はルールに従い時速10キロ以下でゆっくり進みます。
アマミノクロウサギは車が近づくと逃げてしまいますが、しばらくすると再び道路上に出て餌を食べたりするため、対向車とすれ違った後でも、観察することができます。
環境省によりますと、このルールが導入された2021年10月から2025年10月までの4年間で、三太郎線を利用した車両は約1万5000台で、このうち9割近くがルール通り予約した利用者です。
その一方で、2025年は予約をして利用しなかった「無断キャンセル」が873台と急増し、ルールの定着化が進む中、新たな課題も浮上しています。
環境省 奄美群島国立公園管理事務所・広野行男所長
「未予約の車や、予約はしたが無断でキャンセルする事例が年によって増える」
「完全にルールが100パーセント浸透している状況ではない。今後もルールの周知は継続して毎年丁寧に行っていく必要がある」
昼間の観察スポットとなっている奄美市の金作原国有林周辺の道路にもルールが設けられています。
利用者に認定ガイドが同行することや、同じ時間帯の車両台数の制限です。
環境省 奄美群島国立公園管理事務所・広野行男所長
「一定のルールというか利用のコントロールがされないと非常に自然が痛み、見られていた動物がいなくなることにつながる。誰もが理解できる・納得できるルールを地域で共有し、緩やかに運用していく。少しずつ見直しを含め改善を行っていく」
奄美市のネイチャーガイド・越間茂雄さん
「肉食の外来種がどんどん減り、生物が住みやすい島になってきている。人間が守ってあげないといけない。こういったルールは大事」
このような自然を守る努力が来島客の増加にも結びついているようです。
東京から
「あとは海と山と。楽しみにしている」
千葉から
「ナイトツアーみたいなものに参加してみたい。。奄美の特有の生き物とかを見たい」
大阪から
「(カヌーを)こぐのは疲れたけど楽しかった。大阪と違いすごくきれいで、子どもたちも楽しめてすごくよかった」
県によりますと、2025年、観光や仕事などで奄美大島を訪れた人は、約45万人と記録が残る1996年以降、過去最多となりました。
それに伴い宿泊施設も増加。
2025年8月1日時点での宿泊施設の数は433軒で、そのうちの50軒は1年以内に新規オープンしています。
2026年に入ってからも島外資本の企業が相次いで進出しています。
7月3日に「MareBlu Amami」をオープン・坂口泰一社長
「世界遺産を機に観光客も増えるだろう。1年中奄美大島は観光の対象になる」
世界自然遺産の登録から5年。
観光客が増えることは喜ばしいことですが、奄美大島ではアマミノクロウサギの交通事故や野生化したネコの対策など、依然多くの課題が残されています。
美しい自然を守りながら、訪れる人々にその魅力を伝える努力はこれからも続きます。
奄美大島では2025年1年間の来島者が約45万人と過去最多を記録し、観光需要が高まっています。
一方で、自然観察のルールやマナーでは新たな課題も。
奄美支局の麓記者が取材しました。
奄美支局・麓伊賀久記者
「いました。アマミノクロウサギです。奄美大島と徳之島を代表する生き物です」
7月上旬、奄美市の山中で出会ったアマミノクロウサギ。
奄美大島と徳之島だけに生息する国の特別天然記念物です。
天敵のマングースの駆除などで個体数は増加しています。
電線にはこちらも固有種で国内最大級のネズミ、ケナガネズミがいました。
希少な生き物が数多く生息する奄美大島。
生物多様性が評価され、徳之島と沖縄島北部、西表島とともに2021年、世界自然遺産に登録されました。
当時はコロナ禍で観光客が激減していましたが、その間に環境省や地元自治体などが取り組んできたのが、観光と自然保護の両立を目指した生き物観察のルール作りです。
そのルールが適用されている奄美市住用町の市道「三太郎線」。
夜行性の生き物を観察するナイトツアーで人気のスポットです。
それまでは自由に行き来できる場所でしたが、生き物の安全を確保しつつ、質の高い自然観察ができるように夜間の通行を30分ごとの予約制にするなどのルールが設けられました。
その三太郎線をガイドと一緒に通ってみました。
奄美市のネイチャーガイド・越間茂雄さん
「道路は日光もよく当たり、柔らかい下草がどんどん生えてきて、森の中と違い餌が豊富」
アマミノクロウサギの習性についてガイドから説明を受けながら、車はルールに従い時速10キロ以下でゆっくり進みます。
アマミノクロウサギは車が近づくと逃げてしまいますが、しばらくすると再び道路上に出て餌を食べたりするため、対向車とすれ違った後でも、観察することができます。
環境省によりますと、このルールが導入された2021年10月から2025年10月までの4年間で、三太郎線を利用した車両は約1万5000台で、このうち9割近くがルール通り予約した利用者です。
その一方で、2025年は予約をして利用しなかった「無断キャンセル」が873台と急増し、ルールの定着化が進む中、新たな課題も浮上しています。
環境省 奄美群島国立公園管理事務所・広野行男所長
「未予約の車や、予約はしたが無断でキャンセルする事例が年によって増える」
「完全にルールが100パーセント浸透している状況ではない。今後もルールの周知は継続して毎年丁寧に行っていく必要がある」
昼間の観察スポットとなっている奄美市の金作原国有林周辺の道路にもルールが設けられています。
利用者に認定ガイドが同行することや、同じ時間帯の車両台数の制限です。
環境省 奄美群島国立公園管理事務所・広野行男所長
「一定のルールというか利用のコントロールがされないと非常に自然が痛み、見られていた動物がいなくなることにつながる。誰もが理解できる・納得できるルールを地域で共有し、緩やかに運用していく。少しずつ見直しを含め改善を行っていく」
奄美市のネイチャーガイド・越間茂雄さん
「肉食の外来種がどんどん減り、生物が住みやすい島になってきている。人間が守ってあげないといけない。こういったルールは大事」
このような自然を守る努力が来島客の増加にも結びついているようです。
東京から
「あとは海と山と。楽しみにしている」
千葉から
「ナイトツアーみたいなものに参加してみたい。。奄美の特有の生き物とかを見たい」
大阪から
「(カヌーを)こぐのは疲れたけど楽しかった。大阪と違いすごくきれいで、子どもたちも楽しめてすごくよかった」
県によりますと、2025年、観光や仕事などで奄美大島を訪れた人は、約45万人と記録が残る1996年以降、過去最多となりました。
それに伴い宿泊施設も増加。
2025年8月1日時点での宿泊施設の数は433軒で、そのうちの50軒は1年以内に新規オープンしています。
2026年に入ってからも島外資本の企業が相次いで進出しています。
7月3日に「MareBlu Amami」をオープン・坂口泰一社長
「世界遺産を機に観光客も増えるだろう。1年中奄美大島は観光の対象になる」
世界自然遺産の登録から5年。
観光客が増えることは喜ばしいことですが、奄美大島ではアマミノクロウサギの交通事故や野生化したネコの対策など、依然多くの課題が残されています。
美しい自然を守りながら、訪れる人々にその魅力を伝える努力はこれからも続きます。



















































































































