【がん治療の最前線】がんの「狙い撃ち」陽子線治療とは?保険適用で広がる治療の選択肢 メディポリス国際陽子線治療センター
2026年6月30日(火) 18:22
日本人の2人に1人が患うとされるがん。
そのがんの最先端の治療施設が鹿児島県指宿市にあります。
最前線の現場にカメラが入りました。
指宿市の市街地から車で20分。
その施設は山の上にあります。
東京ドーム77個分の広大な敷地面積に広がるメディポリス国際陽子線治療センター。
施設内には治療施設のほか、患者が滞在するためのホテルも併設されています。
ここで行われているのが放射線の一種、陽子線を用いたがん治療です。
陽子線を作り出すのがこの巨大な機械。
上から見るとドーナツのような形に見えます。
メディポリス国際陽子線治療センター技術部放射線技師・和田清隆部長
「シンクロトロンという名称の機械。水素の原子核である陽子を加速器の中に入れてどんどん加速していきます。実際には光の速さの6割程度まで加速すれば、がん細胞をやっつけるエネルギーを持った陽子線ができる」
取り出された陽子を直径7メートルに及ぶシンクロトロンで加速し、エネルギーを高めます。
その陽子を治療が行われる回転ガントリーと呼ばれる場所に移し、患者に照射します。
陽子線を使ったがん治療、国内では現在19の施設で行われていて、九州ではメディポリスが唯一です。
2011年に治療が開始され、これまでに約8000人の患者の治療が行われてきました。
陽子線を使った治療のメリットについて医師はこう話します。
メディポリス国際陽子線治療センター放射線治療専門医・足立源樹医師
「基本的には陽子線を当てることによって、がん細胞の中の遺伝子という細胞の設計図に傷をつけることが(治療の本質)。傷がついたDNAは細胞分裂ができなくなるので、がんが大きくならない。そのうちそのがん自体も寿命が来て、消滅していく」
Q.X線と陽子線の違いは?
「人間の体に当てた時の放射線の分布。X線だと人間の体に当たると、表面、皮膚直下で最大で当たって、そのあとだんだん減っていくので、体の内部にあるがんに届く時には減っている。(陽子線は)一番陽子線が当たるピークが病気の所に合わせていくから、それ以外の部位にはほとんど当たらない。かなり影響を小さくすることができるメリットがある」
X線と異なりがんの病巣を狙いうちできる陽子線治療。
こちらはこの施設で治療した肝臓がんの患者の症例です。
治療前は約10センチほどの大きさだったがん。
近くにある腎臓も圧迫されてしまっています。
一方、陽子線治療後から約5年後のCT画像を見てみると、がんが小さくなり、腎臓の圧迫も解消されていました。
治療は1日1回で、15分から30分程度。
陽子線の照射時は痛みがほとんどないということです。
治療にやってくるこの施設で治療を受けている宮崎県の77歳の男性。
2026年4月の定期検診で前立腺がんが見つかりました。
宮崎県の男性(77)
「自分の体はどうなるんだろうと、精神面、心の面ががんそのものよりも不安」
以前は投薬治療を行っていましたが、知人の紹介で陽子線治療の存在を知り、6月からホテルに滞在しながら治療を進めています。
宮崎県の男性(77)
「患者が実際ベットに寝て治療開始から終わるまで1分もかかりません。痛みも熱くも全く感じない。治療が終わった後は通常生活もできます」
Q.以前の治療法と比べてどうか?
「飲み薬とホルモン注射の方は筋肉や体の疲れ、だるさ感があった。(陽子線治療は)8回目の照射時点では(だるさ感など)ない」
医師も患者も大きくメリットを感じているこの陽子線治療。
一方で足立医師が話すのは、陽子線治療が全ての臓器に万能ではない点です。
メディポリス国際陽子線治療センター放射線治療専門医・足立源樹医師
「人間の臓器によっては放射線に弱いものがある。消化管、胃、十二指腸、小腸などは放射線に非常に弱いので、がんを治すほどの量の放射線を当てると腸に穴が開いてしまうので、その部位は(陽子線は向かず)手術の方がよりよい」
メディポリス国際陽子線治療センターで治療が始まって2026年で15年。
関係者が課題を口にする中で前進したこともあります。
それは保険適用範囲の広がりです。
2011年の治療開始当初はすべてのがんが医療保険の対象外でしたが、治療の効果が認められ、2024年までに9つの種類のがんが対象に。
さらに6月からは「大腸がんの手術の後に肺に転移したがん」が保険適用となりました。
保険が適用されない場合、治療費は約330万円と高額ですが、保険が適用される部位では、高額療養費制度を利用することで3~13万円程度で治療ができるといいます。
メディポリス国際陽子線治療センター放射線科医・足立源樹医師
「例えば手術とかだと年齢であったり合併症、あるいは手術をしたくないという理由で治療の機会を失われてしまうことがあるが、そういう方たちも保険で陽子線治療ができるとなると治療の幅がぐっと広がる」
指宿で展開されている先端技術をつかったがんの陽子線治療。
その歴史はまだ浅いものの、手術や投薬以外の選択肢として存在感が増しているようです。
そのがんの最先端の治療施設が鹿児島県指宿市にあります。
最前線の現場にカメラが入りました。
指宿市の市街地から車で20分。
その施設は山の上にあります。
東京ドーム77個分の広大な敷地面積に広がるメディポリス国際陽子線治療センター。
施設内には治療施設のほか、患者が滞在するためのホテルも併設されています。
ここで行われているのが放射線の一種、陽子線を用いたがん治療です。
陽子線を作り出すのがこの巨大な機械。
上から見るとドーナツのような形に見えます。
メディポリス国際陽子線治療センター技術部放射線技師・和田清隆部長
「シンクロトロンという名称の機械。水素の原子核である陽子を加速器の中に入れてどんどん加速していきます。実際には光の速さの6割程度まで加速すれば、がん細胞をやっつけるエネルギーを持った陽子線ができる」
取り出された陽子を直径7メートルに及ぶシンクロトロンで加速し、エネルギーを高めます。
その陽子を治療が行われる回転ガントリーと呼ばれる場所に移し、患者に照射します。
陽子線を使ったがん治療、国内では現在19の施設で行われていて、九州ではメディポリスが唯一です。
2011年に治療が開始され、これまでに約8000人の患者の治療が行われてきました。
陽子線を使った治療のメリットについて医師はこう話します。
メディポリス国際陽子線治療センター放射線治療専門医・足立源樹医師
「基本的には陽子線を当てることによって、がん細胞の中の遺伝子という細胞の設計図に傷をつけることが(治療の本質)。傷がついたDNAは細胞分裂ができなくなるので、がんが大きくならない。そのうちそのがん自体も寿命が来て、消滅していく」
Q.X線と陽子線の違いは?
「人間の体に当てた時の放射線の分布。X線だと人間の体に当たると、表面、皮膚直下で最大で当たって、そのあとだんだん減っていくので、体の内部にあるがんに届く時には減っている。(陽子線は)一番陽子線が当たるピークが病気の所に合わせていくから、それ以外の部位にはほとんど当たらない。かなり影響を小さくすることができるメリットがある」
X線と異なりがんの病巣を狙いうちできる陽子線治療。
こちらはこの施設で治療した肝臓がんの患者の症例です。
治療前は約10センチほどの大きさだったがん。
近くにある腎臓も圧迫されてしまっています。
一方、陽子線治療後から約5年後のCT画像を見てみると、がんが小さくなり、腎臓の圧迫も解消されていました。
治療は1日1回で、15分から30分程度。
陽子線の照射時は痛みがほとんどないということです。
治療にやってくるこの施設で治療を受けている宮崎県の77歳の男性。
2026年4月の定期検診で前立腺がんが見つかりました。
宮崎県の男性(77)
「自分の体はどうなるんだろうと、精神面、心の面ががんそのものよりも不安」
以前は投薬治療を行っていましたが、知人の紹介で陽子線治療の存在を知り、6月からホテルに滞在しながら治療を進めています。
宮崎県の男性(77)
「患者が実際ベットに寝て治療開始から終わるまで1分もかかりません。痛みも熱くも全く感じない。治療が終わった後は通常生活もできます」
Q.以前の治療法と比べてどうか?
「飲み薬とホルモン注射の方は筋肉や体の疲れ、だるさ感があった。(陽子線治療は)8回目の照射時点では(だるさ感など)ない」
医師も患者も大きくメリットを感じているこの陽子線治療。
一方で足立医師が話すのは、陽子線治療が全ての臓器に万能ではない点です。
メディポリス国際陽子線治療センター放射線治療専門医・足立源樹医師
「人間の臓器によっては放射線に弱いものがある。消化管、胃、十二指腸、小腸などは放射線に非常に弱いので、がんを治すほどの量の放射線を当てると腸に穴が開いてしまうので、その部位は(陽子線は向かず)手術の方がよりよい」
メディポリス国際陽子線治療センターで治療が始まって2026年で15年。
関係者が課題を口にする中で前進したこともあります。
それは保険適用範囲の広がりです。
2011年の治療開始当初はすべてのがんが医療保険の対象外でしたが、治療の効果が認められ、2024年までに9つの種類のがんが対象に。
さらに6月からは「大腸がんの手術の後に肺に転移したがん」が保険適用となりました。
保険が適用されない場合、治療費は約330万円と高額ですが、保険が適用される部位では、高額療養費制度を利用することで3~13万円程度で治療ができるといいます。
メディポリス国際陽子線治療センター放射線科医・足立源樹医師
「例えば手術とかだと年齢であったり合併症、あるいは手術をしたくないという理由で治療の機会を失われてしまうことがあるが、そういう方たちも保険で陽子線治療ができるとなると治療の幅がぐっと広がる」
指宿で展開されている先端技術をつかったがんの陽子線治療。
その歴史はまだ浅いものの、手術や投薬以外の選択肢として存在感が増しているようです。




















































































































