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1玉580円も!高値傾向続くキャベツ 販売側や飲食店、消費者の現状、今後は? 鹿児島県

2025年1月10日(金) 18:34

例年にない高値傾向が続くキャベツ。

一体いつまで続くのかとため息をついている人も多いのではないでしょうか。

なぜ、キャベツの高値傾向は収まらないのか、そして、キャベツを扱うそれぞれの現場は現状をどう見ているのか、取材しました。


10日朝の鹿児島市中央卸売市場です。

(鐘の音)チャランチャラン!
「ヤー!失礼しまーす!10パイから!」

威勢の良い掛け声とともにキャベツのセリが始まりました。

仲卸業者やスーパーなどのスタッフが指で買値を示し、どんどんセリは進んでいきますが、最近のキャベツの高値傾向は、野菜を扱うプロにとっても想定を超えた事態のようです。

青果店経営者
「ずっと高値。今日も。そろそろ下げるかなと思ったが下げないね」

田中慎介記者
「10玉前後のキャベツが入っているこちらの袋、通常なら200円から300円で取引されているが今日は1700円の値がついたものもありました」


鹿児島青果によりますと、例年この時期、県内産のキャベツのセリ値は1玉100円弱から125円ほどだということですが、2024年12月は350円から400円ほどで推移したということです。

2024年の猛暑などでキャベツの発育が進まなかったことに加え、全国的に不作となっていることから、県外からの需要も大きく、なかなか値段が下がらないといいます。

鹿児島青果・横谷俊介課長
「1月になったら落ち着いてくるかなと思ったが。自分たちも簡単に買える単価ではない」


一方、鹿児島市のスーパーではー

大城哲也記者
「こちらの店では、キャベツ1玉が税抜きで580円。これは去年の今ごろと比べ、倍近い値段だということです」

店によりますと、通常、キャベツ1玉は税抜きで198円から298円で推移しているものの、2024年12月ごろから価格が上がってきたといいます。

9日は480円でしたが、1日で100円の値上げに踏みきりました。

これでも仕入れ値に近い販売を続けているということです。

フレッシュフィールドなりざわ・成沢洋社長
「9日は、ほぼ利益のない状態で売ったが、まだこの先もう少し値上がりする傾向なので、ちょっと上げさせてもらったが、この値段で頑張りたい」

こうしたキャベツの高値に消費者からは困惑の声が聞かれました。

買い物客
「あまりに高くてなかなか手を出しにくい。食べなければならないし、どうしようもない。どこかで切り詰めないといけないと思う」

Q.しばらくは高そうですが?
「そうですよね。どうしたらいいのでしょうか。私たちは。本当に」


トンカツの香ばしい香りが広がる厨房。

こちらの黒豚料理専門店では、料理の付け合わせとしてキャベツは必須で、専用器具で一気にスライスしていきます。

寿庵荒田店・稲元貢洋店長
「これがないと営業できないぐらい役立っている」

こちらの店舗では1日に25玉から30玉のキャベツを仕入れていて、2024年から続くキャベツの高値傾向は大きな悩みの種です。

寿庵荒田店・稲元貢洋店長
「材料費としてはかなり上がっている。実際大変な状況ではあるが、お客に満足してもらえればということで頑張っている」

キャベツの値段が高くても、こちらの店ではキャベツ食べ放題のサービスを継続しています。

来店客
「普段よりかみしめている。とにかくありがたいです」
「おかわりするのが申し訳ない気持ちになる」

今後、キャベツの価格はどうなっていくのか?
関係者が口をそろえて不安視するのは今回の寒波の影響です。

鹿児島青果・横谷俊介課長
「(今後は)雨と気候が良ければ生育はしていく。ただ、すごく寒くなってきているので、病気や中に痛みが入るキャベツが増える可能性はある」

フレッシュフィールドなりざわ・成沢洋社長
「大都市圏近くでの雪は、キャベツやレタスの軟弱野菜は(出荷が)非常にストップしやすい。そこが収まるまでは高値の状態が続くと思う」

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