【衆院選・記者解説】選挙戦終盤 各選挙区の情勢は 鹿児島
2024年10月25日(金) 18:53
10月27日投開票の衆院選について、取材を担当している安楽記者と選挙戦終盤の各選挙区の情勢についてお伝えします。
※以下、前職の数字は当選回数
まずは三つどもえの戦いとなった1区です。
自民党の宮路さんと立憲民主党の川内さんが激しく競り合っています。
宮路さんが狙うのは浮動票の掘り起こしです。
そのため、終盤になってからは、人通りの多い鹿児島中央駅や天文館周辺での街頭演説を増やしました。
今井絵理子参議院議員
「光が届かないところに光を届ける政治を行いたいという思いは共通している」
さらに、24日は元SPEEDの今井絵理子参議院議員が応援にかけつけ、支持拡大を図りました。
一方で、川内さんは政治とカネの問題をクローズアップして、反自民票の取り込みを狙っていて、党幹部も次々と応援に駆けつけています。
21日には泉前代表が、23日には野田代表が鹿児島入りし、支持を呼びかけました。
立憲民主党・野田佳彦代表
「裏金議員だけでなく、自民党全体にペナルティーを与えないといけない」
川内さんはSNSでの配信も行うなど、浮動票の取り込みにも余念がありません。
参政党の昇さんも選挙期間中に神谷代表が駆けつけるなど追い上げを図っています。
情勢調査では、各候補ともそれぞれの政党を支持する有権者の票は固めていて、都市部に多いとされる浮動票をどう取り込むかが勝敗のカギを握りそうです。
1区は最後まで混戦となりそうです。
続いて2区です。
5人が立候補していて、無所属で前職の三反園さんと自民党・前職の保岡さんの保守分裂の争いが激しさを増しています。
選挙戦の中で2人が火花を散らす場面もみられました。
23日、鹿児島県南九州市で行われた保岡さんの演説中に、三反園さん本人が乗った街宣車が近くを通過しました。
(三反園候補の街宣車から)
「ありがとうございます!一生懸命働きます!」
自民・前1 保岡宏武候補
「はい。保岡宏武です。自民党公認、唯一の自民党公認、本当の自民党公認の保岡宏武です!」
この言葉通り、公認を勝ち取った保岡さんは、自民党の友好団体、企業を中心に各地で集会を開いて支持を呼びかけ、組織戦を展開しています。
自民・前1 保岡宏武候補
「チーム自民党でしっかり皆さんのご要望をうかがい、形にできる。それができるのは5人の候補者のうち、保岡宏武、ただ1人」
一方の三反園さんが狙うのは公明党の支持層です。
2区では誰にも推薦を出していない公明票を積み増そうと、三反園さんは演説でも積極的にアピールを続けています。
無所属・前1 三反園訓候補
「比例は公明でお願いします。一生懸命、三反園訓も公明党と一緒になって取り組んでいる。ぜひ皆さん比例は公明でお願いします」
「たくさんの方に来ていただいて本当にありがとうございます。やっぱりありがたい。逆に元気をもらった。終盤戦、一生懸命頑張って期待に応えていく」
2人の間で熱い戦いが展開される中、他の3人の候補の動きはどうなっていますか?
日本維新の会新人の辻さんは、インターネットを駆使した選挙戦を展開し、共産党新人の松崎さんは、「唯一の革新系候補」を打ち出して自らをアピール、参政党新人の矢竹さんは参政党の市議の地盤を中心にこまめに地域を回っています。
最終日の26日は、いずれの候補も大票田、鹿児島市の谷山地区で雌雄を決する戦いを繰り広げる見通しです。
前職同士の与野党一騎打ちとなったのは3区です。
立憲民主党・前職の野間さんを自民党・前職の小里さんが追う展開です。
野党の支持層を幅広く固めている野間さんは、ミニ集会を中心に地域回りを徹底し、票の掘り起こしを図っています。
また、国民からの強い批判が続く自民党の裏金問題を取り上げ、自民党や公明党の支持層の切り崩しにも余念がありません。
一方の小里さんは、これまでのところ肝心の自民党支持層や公明党支持層からの支持が盤石とは言えない状況です。
また、現職の農林水産大臣としての公務でたびたび選挙区を離れるという、これまで経験したことのない選挙戦となっています。
現職大臣として負けられない小里さんは、限られた時間を生かして支持の拡大や、組織票固めに力を入れています。
前々回は小里さん、前回は野間さんが制した3区。
現職大臣の肩書きも背負った3度目の両者の戦い、その行方は全国的にも注目されています。
最後は4区です。
自民党の幹事長を務める前職の森山さんが安定した戦いを展開し社民党・新人の山内さんは苦戦しています。
振り返ってみますと、各選挙区はこのような状況です。自民党候補が苦戦している印象ですが、「政治とカネ」の問題に対する自民党への逆風を安楽さんは取材中どう感じましたか?
はい、ある自民党陣営は「なかなか票が伸びないとんだとばっちりを受けた」とぼやいていました。
その中でも「鹿児島には裏金議員がいないことを説明し、理解を求める」としていました。
一方の野党陣営は「自民党への逆風は強まっている」としながらも、「鹿児島では自民党への支持が根強い」と、終盤の選挙戦で組織の引き締めを図っています。
いよいよ選挙戦も残すところあと1日です。
衆院選はどの政党に国のかじ取り役を任せるかを決める、とても大切な選挙です。
自民党の裏金問題をどう評価するかに加えて、経済政策や国防など様々な課題に対してどのような未来を描いてほしいかよく考えて、ぜひ貴重な一票を投じてほしいと思います。
衆院選は10月27日投開票です。
※以下、前職の数字は当選回数
まずは三つどもえの戦いとなった1区です。
自民党の宮路さんと立憲民主党の川内さんが激しく競り合っています。
宮路さんが狙うのは浮動票の掘り起こしです。
そのため、終盤になってからは、人通りの多い鹿児島中央駅や天文館周辺での街頭演説を増やしました。
今井絵理子参議院議員
「光が届かないところに光を届ける政治を行いたいという思いは共通している」
さらに、24日は元SPEEDの今井絵理子参議院議員が応援にかけつけ、支持拡大を図りました。
一方で、川内さんは政治とカネの問題をクローズアップして、反自民票の取り込みを狙っていて、党幹部も次々と応援に駆けつけています。
21日には泉前代表が、23日には野田代表が鹿児島入りし、支持を呼びかけました。
立憲民主党・野田佳彦代表
「裏金議員だけでなく、自民党全体にペナルティーを与えないといけない」
川内さんはSNSでの配信も行うなど、浮動票の取り込みにも余念がありません。
参政党の昇さんも選挙期間中に神谷代表が駆けつけるなど追い上げを図っています。
情勢調査では、各候補ともそれぞれの政党を支持する有権者の票は固めていて、都市部に多いとされる浮動票をどう取り込むかが勝敗のカギを握りそうです。
1区は最後まで混戦となりそうです。
続いて2区です。
5人が立候補していて、無所属で前職の三反園さんと自民党・前職の保岡さんの保守分裂の争いが激しさを増しています。
選挙戦の中で2人が火花を散らす場面もみられました。
23日、鹿児島県南九州市で行われた保岡さんの演説中に、三反園さん本人が乗った街宣車が近くを通過しました。
(三反園候補の街宣車から)
「ありがとうございます!一生懸命働きます!」
自民・前1 保岡宏武候補
「はい。保岡宏武です。自民党公認、唯一の自民党公認、本当の自民党公認の保岡宏武です!」
この言葉通り、公認を勝ち取った保岡さんは、自民党の友好団体、企業を中心に各地で集会を開いて支持を呼びかけ、組織戦を展開しています。
自民・前1 保岡宏武候補
「チーム自民党でしっかり皆さんのご要望をうかがい、形にできる。それができるのは5人の候補者のうち、保岡宏武、ただ1人」
一方の三反園さんが狙うのは公明党の支持層です。
2区では誰にも推薦を出していない公明票を積み増そうと、三反園さんは演説でも積極的にアピールを続けています。
無所属・前1 三反園訓候補
「比例は公明でお願いします。一生懸命、三反園訓も公明党と一緒になって取り組んでいる。ぜひ皆さん比例は公明でお願いします」
「たくさんの方に来ていただいて本当にありがとうございます。やっぱりありがたい。逆に元気をもらった。終盤戦、一生懸命頑張って期待に応えていく」
2人の間で熱い戦いが展開される中、他の3人の候補の動きはどうなっていますか?
日本維新の会新人の辻さんは、インターネットを駆使した選挙戦を展開し、共産党新人の松崎さんは、「唯一の革新系候補」を打ち出して自らをアピール、参政党新人の矢竹さんは参政党の市議の地盤を中心にこまめに地域を回っています。
最終日の26日は、いずれの候補も大票田、鹿児島市の谷山地区で雌雄を決する戦いを繰り広げる見通しです。
前職同士の与野党一騎打ちとなったのは3区です。
立憲民主党・前職の野間さんを自民党・前職の小里さんが追う展開です。
野党の支持層を幅広く固めている野間さんは、ミニ集会を中心に地域回りを徹底し、票の掘り起こしを図っています。
また、国民からの強い批判が続く自民党の裏金問題を取り上げ、自民党や公明党の支持層の切り崩しにも余念がありません。
一方の小里さんは、これまでのところ肝心の自民党支持層や公明党支持層からの支持が盤石とは言えない状況です。
また、現職の農林水産大臣としての公務でたびたび選挙区を離れるという、これまで経験したことのない選挙戦となっています。
現職大臣として負けられない小里さんは、限られた時間を生かして支持の拡大や、組織票固めに力を入れています。
前々回は小里さん、前回は野間さんが制した3区。
現職大臣の肩書きも背負った3度目の両者の戦い、その行方は全国的にも注目されています。
最後は4区です。
自民党の幹事長を務める前職の森山さんが安定した戦いを展開し社民党・新人の山内さんは苦戦しています。
振り返ってみますと、各選挙区はこのような状況です。自民党候補が苦戦している印象ですが、「政治とカネ」の問題に対する自民党への逆風を安楽さんは取材中どう感じましたか?
はい、ある自民党陣営は「なかなか票が伸びないとんだとばっちりを受けた」とぼやいていました。
その中でも「鹿児島には裏金議員がいないことを説明し、理解を求める」としていました。
一方の野党陣営は「自民党への逆風は強まっている」としながらも、「鹿児島では自民党への支持が根強い」と、終盤の選挙戦で組織の引き締めを図っています。
いよいよ選挙戦も残すところあと1日です。
衆院選はどの政党に国のかじ取り役を任せるかを決める、とても大切な選挙です。
自民党の裏金問題をどう評価するかに加えて、経済政策や国防など様々な課題に対してどのような未来を描いてほしいかよく考えて、ぜひ貴重な一票を投じてほしいと思います。
衆院選は10月27日投開票です。