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こちらをご覧ください。８月の台風１０号の影響で根元から折れてしまった、推定樹齢３０００年の屋久杉です。弥生杉の名前で親しまれていました。

国内外からも多くの観光客が訪れる世界自然遺産の島に、大きな爪痕を残した台風ですが、今回ＫＴＳは特別に許可を得て、鹿児島・屋久島の今の様子を撮影しました。


８月下旬、鹿児島県内を直撃した台風１０号。
各地で倒木や家屋の損壊といった被害が発生しましたが、特に大きな被害に見舞われたのが世界自然遺産の島、屋久島です。

そのなかでも、観光名所のひとつである白谷雲水峡。
落石・土砂崩れといった被害に伴い、いまも道中の県道では数カ所で片側通行が続いていますが、９月２０日から徐々に登山を再開しています。

しかし、土砂崩れなどの影響で白谷雲水峡に３つある登山コースのうち、現在は１番時間のかかるコースを、さらに迂回して巡るルートしか歩けません。

受付スタッフ
「弥生杉コースと奉行杉コースが通れない。高齢者が行けない状況」

１番手軽に屋久杉を見学できる、人気の「弥生杉コース」。
いまは閉鎖中ですが、特別に許可を得て撮影させてもらいました。

野平美奈子記者
「ここから先に行くと弥生杉にたどり着くんですが、遊歩道を塞ぐように倒木がいくつもの場所で見られます。そして奥に弥生杉と書かれた看板がありますが、弥生杉は見る影もありません」


推定樹齢３０００年の弥生杉。
高さは２６メートル、太さは７．６メートルともなる巨木が、いまは地面に太くはった根しか残されていません。

どれほど強い風が襲ったのかー
無残にも折れて転がる太い幹からは、台風による被害の甚大さがうかがえます。

屋久島レクリエーションの森　保護管理協議会事務局・日高美智男さん
「身近に行けて最も皆さんに親しまれた、ご年配の方でも容易に行くことができた屋久杉だった。それが倒れたということはもう非常に悲しいし、だいぶツアー客は減ると思います」

その一方で、屋久島の自然を楽しみに国内外から訪れた観光客たちは、一部コースの閉鎖を残念がりつつも、唯一巡れるルートを満喫しているようでした。

観光客の男性
「見られたら見たかったけど、太鼓岩はきれいだったので十分です」

ガイドの男性
「きょうは台湾（からのツアー客のガイド）です。ちょっと残念だが、ほかにも屋久島の見どころはたくさんある。そういう所へ案内するという意味ではいい機会になるかも」

何千年という時間が作り上げた自然を元通りにすることはできませんが、台風という脅威も、また自然の一部。
今後は、林野庁の屋久島森林管理署を中心とした検討会を設置して、対応を協議をするということです。

屋久島レクリエーションの森　保護管理協議会事務局・日高美智男さん
「弥生杉（の被害）は仕方ないが、その周りの植生も非常に貴重。残念ながらツアー客は今の状態だとなかなか案内はできないが、１日でも早い復旧が望まれる」