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ニュース・スポーツ

企業・自治体のSNS戦略最前線 活用の効果は?炎上などのリスクは?【鹿児島】

2026年5月13日(水) 18:59

SNSでの情報収集が当たり前になりつつある昨今、企業や自治体がPRの手段としてSNSを活用する事例が増えています。

なぜSNSを利用するのか、炎上などのリスクはどう回避しているのか県内の現状を追いました。

スマホを持ち、熱心に撮影に励むのは川商ハウスの社員たち。

この日は鹿児島市大竜町でSNSにアップする賃貸物件の紹介動画を撮影していました。

物件を効果的にPRするため、扉をどう開けるか、立ち位置をどうするかなど入念に打ち合わせます。

川商ハウス・揚村貞貴常務
「収納は閉めとく?」

カメラマン
「閉めといて開けましょうか」

川商ハウスではSNSを専門とする協力企業の力を借りながら、月に8本ほど動画をアップしています。

2年ほど前からSNSに本格的に取り組み始め、インスタグラムとTikTokをあわせたフォロワー数は1万2000人ほどです。

川商ハウス 揚村貞貴常務
「川商ハウスと言えば、おなじみの『アパートマンション』のCMで頑張ってきたが、若い世代への情報発信をしたいということでSNSでの広告活動を始めた」

撮影した動画はSNS担当の社員とともにチェック。

後日編集して、SNSで公開します。

ナレーションは鹿児島弁、最も視聴された動画の再生回数は243万回を超えます。

川商ハウス 営業企画課・大久保真市さん
「『これなんだろう』と見てもらって、その続きが面白ければさらに長く見てもらえる。少しでも何か引っかかればと工夫して投稿してみて『あんまり伸びなかったな』とか『なんでこんなに再生回数まわるんだろう』とかやっていて楽しい」

また、常務が様々なテーマで不動産に関する質問に答えるものなど幅広いジャンルの動画を投稿しています。

揚村常務
「単なるお部屋探し活動ではなくて、若い世代の興味を引くような情報発信をしたかったので、エンタメ性の高い話題を見つけてスタッフを協議しながら情報発信している」

では実際に県内でのSNS活用はどれほど広まっているのでしょうか。

九州経済研究所が県内企業を対象に行った調査では55.8%がSNSでの発信を行っていると回答。

問い合わせが増えたり、認知度向上といった効果を実感している企業もありました。

九州経済研究所 経済調査部・新川真吾次長
「インスタグラムなどのSNSの普及やコロナ禍のデジタル化の進展がきっかけで、今アカウントを持って情報発信する企業が増えていている。SNSの特長の一つでもある情報拡散力や双方向でのコミュケーションができることもあって、採用活動で使う企業など多様な目的でSNSを活用する企業が増えている」

さらに県民を対象にしたアンケートでも、日常的にチェックしている媒体としてあげられたのはテレビ・ラジオや新聞を抜きSNSが最多。

その半数以上は企業のSNSをきっかけに実際に店舗に足を運んだと回答していて、ECサイトでの商品購入やイベント参加にもつながっていることが見て取れます。

このように様々なメリットがあるSNSですが、リスクもあります。

鹿児島県志布志市では2016年9月、YouTubeに投稿したPR動画にクレームなど約200件の意見が寄せられました。

一部擁護する意見もあったということですが、公開から6日で動画の削除に至りました。

志布志市 DX 広報グループ・中尾秀昭さん
「当初予期していなかった。ただ予期できることを今は踏まえて審査を一段階入れている」

この件を教訓に、志布志市は翌月にはSNSにアップする動画をチェックする審査会を立ち上げました。

志布志市ではYouTubeを中心に年10本ほどのPR動画をアップ。

これらの動画はすべて、公開前に各課長がチェックする体制をとっています。

実際に「酪農家のイラストが男性に固定されている」など指摘が入ったことも。

志布志市DX 広報グループ・橋川真悟さん
「無意識のうちの思い込みがあると、その視点を持った人に審査してもらうことで分かった」

こうして審査会を経て動画を公開するようになってから、志布志市では約10年間、炎上などは起きていないということです。

志布志市 DX 広報グループ・中尾秀昭さん
「ししまるなど認知度は少しずつ上がってきていると思うので、審査会を含めて、情報発信は適正なものを伝えていきたい」

拡散力の高さが時にあだとなるSNS。

その最たる例が炎上である一方、専門家はそれ以外のリスクについても指摘します。

九州経済研究所 経済調査部・新川真吾次長
「SNSを見て来店したが店休日が(SNSに)上がっていなくて『せっかく来たのに』というマイナスの印象とか、しばらく放置していると『この店やっているのかな』『営業しているかな』と思われるマイナスリスクもある。効果も期待できるが、諸刃の剣」

効果もリスクも併せ持つSNS。

新川さんは今後について、こう予測します。

九州経済研究所 経済調査部・新川真吾次長
「広報もしてくれる、売り上げにも寄与してくれる、採用にも使えると、人手不足の時代にSNSが色々な仕事をしてくれる。重要な経営ツールに位置づけられる。SNSのアカウントを持っていない、運用していないことがリスクになる可能性も出てくる」

SNSをどのように活用していくか。

無視できない課題に、県内の企業や自治体はそれぞれの形で向き合っています。

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