拉致問題 若者に広がる関心の輪 発生から47年 風化を防げ 鹿児島
2025年2月17日(月) 15:30
1978年8月12日、鹿児島県日置市の吹上浜で、市川修一さんと増元るみ子さんが北朝鮮に拉致されてから2025年で47年となります。
長らく事件の風化が懸念される中、今、この拉致問題を伝えようと署名活動などに参加する高校生が県内では増えつつあります。
若者たちに広がる関心の輪を追いました。
「お願いします」
1月、鹿屋市のイベントで行われた署名活動。
署名を呼びかけるのは、市川健一さん(79)です。
市川さんの弟、市川修一さん(当時23)は1978年8月12日、増元るみ子さん(当時24)とともに夕日を見に訪れた日置市の吹上浜で、北朝鮮に拉致されました。
解決しないまま半世紀近くが経過した中、市川さんはアメリカのトランプ大統領就任への期待を口にしました。
北朝鮮に拉致された 市川修一さんの兄・市川健一さん(79)
「(トランプ大統領は)『(拉致)被害者が帰ってこられるように努力する』と明言した。日朝首脳会談へつながっていけばと強く強く願っている」
さらに最近、市川さんにとってうれしい出来事がありました。
拉致問題に関心を持つ若者が増えつつあることです。
署名を呼びかける甲南高校1年の福留豪希さん。
2024年3月、鹿児島市の鹿児島修学館中学校で開かれた市川さんと妻・龍子さんの講演。
当時、中学3年生だった福留さんが同級生にも拉致問題を知ってほしいと実現させたものです。
(当時)鹿児島修学館中学校3年・福留豪希さん
「色々な人が関心を持って解決につながれば、それが一番最善の方法だと思う」
北朝鮮のラジオを聞いたことがきっかけで、拉致問題に関心を持つようになった福留さん。
高校に進学した2024年12月、拉致問題を考える東京のシンポジウムで作文を読み上げました。
甲南高校1年・福留豪希さん
「僕にとって8月12日は誕生日だからおめでたい日だ。だが、拉致事件を知ってからは、被害者に思いをはせる日にもなっている」
拉致問題に関する自身の活動をまとめた福留さんの作文は、全国で最優秀賞を受賞しました。
甲南高校1年・福留豪希さん
「被害者家族の願いがかなうよう拉致問題を若い人たちにも知ってもらい、風化させないために僕にできる行動を続けていきたい」
実はこのとき、福留さんを含め、県内の中高生4人が作文コンクールで入賞しています。
過去最多の数字です。
なぜこんなにも鹿児島の若者が入賞したのかー
鹿屋市の高隈中学校。
市川さんは依頼があれば、県内どこでも駆けつけ講演活動を行っています。
弟の帰国を求める市川さんができることは、世論を高めて国を動かすこと。
市川健一さん
「46年前の事件だから拉致問題を知らない。若い人たちにも知ってもらうために、話が来れば喜んで講演したい」
こうした市川さん夫妻の精力的な活動が、当時を知らない若者たちの心を動かしています。
講演を聞いた生徒
「どれだけ悔しいか悲しいか伝わってきた」
「こういう事が日本であったということを広めていきたい」
冒頭の署名活動。
福留さんと同じく署名を呼びかける若者がいました。
川内高校1年の羽島奈穂さんです。
拉致問題を知った中学生の頃から市川さんと各地を訪れて、拉致への関心を高める活動を続けてきました。
実は羽島さん、中学生だった2023年に拉致の作文コンクールで最優秀賞を受賞、2024年は優秀賞を受賞しました。
羽島さんのクラスでは1月末、朝の活動の一環で、入賞した羽島さんの作文が読まれていました。
さらにー
川内高校 1年・羽島奈穂さん
「署名活動を見かけたらぜひ署名をしてください。時間が許せば、拉致被害者家族と私たちの活動にも力をお貸しください」
羽島さんが全校生徒の前で、拉致問題への思いを訴える機会もあったそうです。
羽島さんの活動が学校全体に浸透しているようです。
羽島さんのクラスメート
「拉致問題は、自分の身の回りのことではないと思っていたが、クラスメートの奈穂さんが活動していて『身近な問題なんだな』と」
「作文で活動をしていると書いてあったので、署名をしてみたいと思った」
川内高校 1年・羽島奈穂さん
「みんなが知るきっかけになり、続けてきて良かったなと思ったので、これからも知るきっかけを作れるように自分の活動や言葉で伝えていきたい」
拉致から2025年で47年。
市川さんが講演を行うたびに決まって口にする言葉があります。
市川健一さん
「皆さん拉致問題を忘れないでください。皆さんの力を私たち家族にお貸しください」
弟との再会を望む市川さんが呼びかける拉致問題への関心。
半世紀訴えてきた変わらぬ思いは、少しずつですが着実に若い世代へと広がっています。
長らく事件の風化が懸念される中、今、この拉致問題を伝えようと署名活動などに参加する高校生が県内では増えつつあります。
若者たちに広がる関心の輪を追いました。
「お願いします」
1月、鹿屋市のイベントで行われた署名活動。
署名を呼びかけるのは、市川健一さん(79)です。
市川さんの弟、市川修一さん(当時23)は1978年8月12日、増元るみ子さん(当時24)とともに夕日を見に訪れた日置市の吹上浜で、北朝鮮に拉致されました。
解決しないまま半世紀近くが経過した中、市川さんはアメリカのトランプ大統領就任への期待を口にしました。
北朝鮮に拉致された 市川修一さんの兄・市川健一さん(79)
「(トランプ大統領は)『(拉致)被害者が帰ってこられるように努力する』と明言した。日朝首脳会談へつながっていけばと強く強く願っている」
さらに最近、市川さんにとってうれしい出来事がありました。
拉致問題に関心を持つ若者が増えつつあることです。
署名を呼びかける甲南高校1年の福留豪希さん。
2024年3月、鹿児島市の鹿児島修学館中学校で開かれた市川さんと妻・龍子さんの講演。
当時、中学3年生だった福留さんが同級生にも拉致問題を知ってほしいと実現させたものです。
(当時)鹿児島修学館中学校3年・福留豪希さん
「色々な人が関心を持って解決につながれば、それが一番最善の方法だと思う」
北朝鮮のラジオを聞いたことがきっかけで、拉致問題に関心を持つようになった福留さん。
高校に進学した2024年12月、拉致問題を考える東京のシンポジウムで作文を読み上げました。
甲南高校1年・福留豪希さん
「僕にとって8月12日は誕生日だからおめでたい日だ。だが、拉致事件を知ってからは、被害者に思いをはせる日にもなっている」
拉致問題に関する自身の活動をまとめた福留さんの作文は、全国で最優秀賞を受賞しました。
甲南高校1年・福留豪希さん
「被害者家族の願いがかなうよう拉致問題を若い人たちにも知ってもらい、風化させないために僕にできる行動を続けていきたい」
実はこのとき、福留さんを含め、県内の中高生4人が作文コンクールで入賞しています。
過去最多の数字です。
なぜこんなにも鹿児島の若者が入賞したのかー
鹿屋市の高隈中学校。
市川さんは依頼があれば、県内どこでも駆けつけ講演活動を行っています。
弟の帰国を求める市川さんができることは、世論を高めて国を動かすこと。
市川健一さん
「46年前の事件だから拉致問題を知らない。若い人たちにも知ってもらうために、話が来れば喜んで講演したい」
こうした市川さん夫妻の精力的な活動が、当時を知らない若者たちの心を動かしています。
講演を聞いた生徒
「どれだけ悔しいか悲しいか伝わってきた」
「こういう事が日本であったということを広めていきたい」
冒頭の署名活動。
福留さんと同じく署名を呼びかける若者がいました。
川内高校1年の羽島奈穂さんです。
拉致問題を知った中学生の頃から市川さんと各地を訪れて、拉致への関心を高める活動を続けてきました。
実は羽島さん、中学生だった2023年に拉致の作文コンクールで最優秀賞を受賞、2024年は優秀賞を受賞しました。
羽島さんのクラスでは1月末、朝の活動の一環で、入賞した羽島さんの作文が読まれていました。
さらにー
川内高校 1年・羽島奈穂さん
「署名活動を見かけたらぜひ署名をしてください。時間が許せば、拉致被害者家族と私たちの活動にも力をお貸しください」
羽島さんが全校生徒の前で、拉致問題への思いを訴える機会もあったそうです。
羽島さんの活動が学校全体に浸透しているようです。
羽島さんのクラスメート
「拉致問題は、自分の身の回りのことではないと思っていたが、クラスメートの奈穂さんが活動していて『身近な問題なんだな』と」
「作文で活動をしていると書いてあったので、署名をしてみたいと思った」
川内高校 1年・羽島奈穂さん
「みんなが知るきっかけになり、続けてきて良かったなと思ったので、これからも知るきっかけを作れるように自分の活動や言葉で伝えていきたい」
拉致から2025年で47年。
市川さんが講演を行うたびに決まって口にする言葉があります。
市川健一さん
「皆さん拉致問題を忘れないでください。皆さんの力を私たち家族にお貸しください」
弟との再会を望む市川さんが呼びかける拉致問題への関心。
半世紀訴えてきた変わらぬ思いは、少しずつですが着実に若い世代へと広がっています。