バレエダンサーを描くことに情熱を注いだ画家「ロバート・ハインデル展」 鹿児島市
2024年5月15日(水) 19:32
バレエダンサーを描くことに情熱を注いだ一人の画家がいます。
ロバート・ハインデル。
彼がダンサーを描き続けたのは、華やかさだけが理由ではありませんでした。
鹿児島で活躍する女性バレエダンサーとともに作品の背景を探りました。
美川愛実アナウンサー
「ダンサーたちが華麗に踊っています。この表現力を磨き続ける姿に美しさを見いだした画家がいます」
ロバート・ハインデル。
1938年生まれのアメリカの画家です。
独学と通信教育で絵画を学び、1960年代には雑誌のイラストレーターとして活躍。
その後、バレエ団の公演ポスターを描いたことをきっかけに、独自の視点や表現が認められ、「バレエ画家」として生涯をかけて世界のバレエ団を取材し、描き続けました。
そんなハインデルの企画展が、鹿児島市の長島美術館で開かれています。
今回はその魅力を踊り手の目線からも見つめてみます。
一緒に巡るのはこの人。
「こんにちは~」
ダンサー、玉川智美さんです。
玉川さんは鹿児島市生まれで3歳からバレエを始め、15歳でモナコへ留学。
クロアチア国立劇場バレエ団などを経て、世界で活動し、2015年に帰国しました。
現在はフリーランスのダンサー、指導者として活動しこの企画展の実行委員も務めています。
智美さんがまず案内してくれたのは…
淡いパステルカラーが彩る1人のダンサーの立ち姿です。
ダンサー・玉川智美さん
「ダンサーがリハーサルを始める前だと思うが、今まさにこれから練習を始めるというときの自分の体にすごく集中しているような表情」
その色使いとは対照的に、くっきりと描かれたつま先には緊張感が漂います。
美川
「玉川さん自身にもあると思うんですけれども、どんな時間なんですか?」
ダンサー・玉川智美さん
「リハーサルはもちろん何回も繰り返して行うものですけど、同じことを同じように、全く同じようにはできないし、1回1回をよりよくしようと思うので自分に集中するような時間」
ハインデルはダンサーたちが本番に向けて練習する様子を捉えようとしました。
それは華々しく舞う姿だけではありません。
美川
「頭がガクッと下がっているところを見ると、指摘されたのかな、悔しいのかな」
ダンサー・玉川智美さん
「いろんな感情があるんでしょうね。日々の練習で楽しいだけじゃないですよね。そういう時間がたくさんあって、本番の一瞬が輝くのがバレエの世界、舞台の世界です」
この作品には、ハインデルがダンサーに向けた、あたたかいまなざしを感じる描写があります。
ダンサーのそばにある、こちらの椅子です。
沈み込むダンサーをスケッチしていたハインデルが「少し休んでくれたら」という思いを込めて、描き足したそうです。
ハインデルはダンサーたちへの尊敬を込めて様々なシーンを描きました。
こちらは、玉川さんが圧倒されたという作品です。
美川
「どういう状態ですか?」
ダンサー・玉川智美さん
「男性が床に寝そべって横向きになったところで、女性がポーズをとっている瞬間。上の方にもやもやっと女性ダンサーから湧き上がってくるようなエネルギーが描かれているような気がして」
女性ダンサーのしなやかさと男性ダンサーの力強さ。
それを支えるのは、絵のおよそ半分を占める地面のような舞台です。
ハインデルは大地からの生命力も感じたのかもしれません。
美川
「表現することの面白さ、素晴らしさって?」
ダンサー・玉川智美さん
「とても厳しい世界だが舞台の本番の1回に向けて自分を高めていくという部分は…楽しめる?楽しいこと、と一言では言えない。でもそこにダンサーは幸せを感じると思います。ダンサーの人間性を描いているのでじっくりご覧いただきたい」
たった一度きりの本番で輝くために、どこまでもストイックに技を磨くダンサーたち。
ロバートハインデル展は、鹿児島市の長島美術館で5月19日まで開かれています。
入場料は一般1000円、大学生500円、高校生以下無料です。
5月18日と19日には、ギャラリートークも開催されます。
制作の背景を知ると深く作品が楽しめると思います。
詳しくは長島美術館のホームページをご覧ください。
ロバート・ハインデル。
彼がダンサーを描き続けたのは、華やかさだけが理由ではありませんでした。
鹿児島で活躍する女性バレエダンサーとともに作品の背景を探りました。
美川愛実アナウンサー
「ダンサーたちが華麗に踊っています。この表現力を磨き続ける姿に美しさを見いだした画家がいます」
ロバート・ハインデル。
1938年生まれのアメリカの画家です。
独学と通信教育で絵画を学び、1960年代には雑誌のイラストレーターとして活躍。
その後、バレエ団の公演ポスターを描いたことをきっかけに、独自の視点や表現が認められ、「バレエ画家」として生涯をかけて世界のバレエ団を取材し、描き続けました。
そんなハインデルの企画展が、鹿児島市の長島美術館で開かれています。
今回はその魅力を踊り手の目線からも見つめてみます。
一緒に巡るのはこの人。
「こんにちは~」
ダンサー、玉川智美さんです。
玉川さんは鹿児島市生まれで3歳からバレエを始め、15歳でモナコへ留学。
クロアチア国立劇場バレエ団などを経て、世界で活動し、2015年に帰国しました。
現在はフリーランスのダンサー、指導者として活動しこの企画展の実行委員も務めています。
智美さんがまず案内してくれたのは…
淡いパステルカラーが彩る1人のダンサーの立ち姿です。
ダンサー・玉川智美さん
「ダンサーがリハーサルを始める前だと思うが、今まさにこれから練習を始めるというときの自分の体にすごく集中しているような表情」
その色使いとは対照的に、くっきりと描かれたつま先には緊張感が漂います。
美川
「玉川さん自身にもあると思うんですけれども、どんな時間なんですか?」
ダンサー・玉川智美さん
「リハーサルはもちろん何回も繰り返して行うものですけど、同じことを同じように、全く同じようにはできないし、1回1回をよりよくしようと思うので自分に集中するような時間」
ハインデルはダンサーたちが本番に向けて練習する様子を捉えようとしました。
それは華々しく舞う姿だけではありません。
美川
「頭がガクッと下がっているところを見ると、指摘されたのかな、悔しいのかな」
ダンサー・玉川智美さん
「いろんな感情があるんでしょうね。日々の練習で楽しいだけじゃないですよね。そういう時間がたくさんあって、本番の一瞬が輝くのがバレエの世界、舞台の世界です」
この作品には、ハインデルがダンサーに向けた、あたたかいまなざしを感じる描写があります。
ダンサーのそばにある、こちらの椅子です。
沈み込むダンサーをスケッチしていたハインデルが「少し休んでくれたら」という思いを込めて、描き足したそうです。
ハインデルはダンサーたちへの尊敬を込めて様々なシーンを描きました。
こちらは、玉川さんが圧倒されたという作品です。
美川
「どういう状態ですか?」
ダンサー・玉川智美さん
「男性が床に寝そべって横向きになったところで、女性がポーズをとっている瞬間。上の方にもやもやっと女性ダンサーから湧き上がってくるようなエネルギーが描かれているような気がして」
女性ダンサーのしなやかさと男性ダンサーの力強さ。
それを支えるのは、絵のおよそ半分を占める地面のような舞台です。
ハインデルは大地からの生命力も感じたのかもしれません。
美川
「表現することの面白さ、素晴らしさって?」
ダンサー・玉川智美さん
「とても厳しい世界だが舞台の本番の1回に向けて自分を高めていくという部分は…楽しめる?楽しいこと、と一言では言えない。でもそこにダンサーは幸せを感じると思います。ダンサーの人間性を描いているのでじっくりご覧いただきたい」
たった一度きりの本番で輝くために、どこまでもストイックに技を磨くダンサーたち。
ロバートハインデル展は、鹿児島市の長島美術館で5月19日まで開かれています。
入場料は一般1000円、大学生500円、高校生以下無料です。
5月18日と19日には、ギャラリートークも開催されます。
制作の背景を知ると深く作品が楽しめると思います。
詳しくは長島美術館のホームページをご覧ください。