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ニュース・スポーツ

鹿児島が日本一 ウイスキー製造免許を取得している酒蔵の数 焼酎王国で増える理由 確かな蒸留技術でウイスキー製造に挑戦 

2025年10月13日(月) 15:00

「今、鹿児島でー」

今回のテーマはウイスキーです。

実は今、鹿児島は焼酎王国ながらウイスキーの製造免許を取得している酒蔵の数が日本一なんです。

なぜ鹿児島でウイスキー生産が増えてきているのか?

鹿児島のウイスキー生産の最新事情に迫ります。

まずは鹿児島のウイスキーの歴史を作った蒸留所からご覧ください。

ウイスキーの熟成樽がずらりと並ぶ圧巻の風景。

その数、約2000。

ここは本坊酒造が手がける南さつま市の「マルス津貫蒸溜所」です。

一年を通してウイスキーが生産されています。

製造工程を案内してもらいました。

鹿児島で作られるウイスキー。

原料となる麦芽はほとんどがヨーロッパから輸入されています。

その麦芽を粉砕し、仕込み水を加えると麦汁に。

次に麦汁に酵母を入れて発酵させ、もろみをつくります。

発酵まもないタンクは、ブクブクと泡があふれ出る勢いです。

マルスウイスキー・草野辰朗さん
「丸4日間、96時間発酵させるが、いかにいろんな香味成分を作るかが大事」

そしてウイスキーづくりには欠かせない蒸溜。

ポットスチルという独特の形をした蒸留釜でもろみを蒸留します。

そうして出来た原酒を最後は樽に入れて熟成。

最低3年という長い眠りにつきます。

マルスウイスキー・草野辰朗さん
「各樽で熟成のピークがあるので、それを見極めて、しかるべき樽をしかるべきタイミングで使えるよう努力をしている」

実はこうした鹿児島のウイスキー作りの歴史は本坊酒造から始まりました。

終戦後の1949年、本坊酒造はウイスキーの製造免許を取得しました。

その理由を本坊社長はこう話します。

本坊酒造・本坊和人社長
「全国の市場の動きのなかで、これからは和酒だけでなく洋酒の市場も活発化するだろう」

こちらは製造当初のウイスキーのボトル。

当時の本坊合名会社のローマ字も記されています。

その後、生産拠点は山梨・長野に移り、県内での製造は1984年に途絶えましたが、2016年に津貫蒸溜所が開設され県内のウイスキー作りが復活したのです。

温暖な気候の鹿児島で作られるウイスキーにはどんな特徴があるのか?

鹿児島市内でバーを経営する小原さんに聞きました。

BAR小原・小原紀幸さん
「鹿児島は南国で気候が暖かいので早く熟成しやすい。ウイスキーは個性なので南は南のウイスキーの味わいになる。若い原酒でも濃厚なリッチな味わいになるのが特徴」

実際に津貫で製造されたウイスキーを飲んでみました。

坪内一樹キャスター
「非常にフルーティです」

本坊家旧邸 寶常・田中教文支配人
「南国のフルーツを連想させるような香り、味わいをイメージしている」

マルスウイスキー・草野辰朗さん
「『鹿児島でのおいしいウイスキーは何なんだろう』というのを求めて試行錯誤している」

本坊酒造・本坊和人社長
「大いなる夢を抱ける。世界のウイスキーファンをうならせるようなものを目指す」

そんな鹿児島のウイスキーは今、新たな局面を迎えています。

大崎町菱田にある天星酒造です。

取材に訪れた9月、芋焼酎の仕込みがはじまっていました。

実はこの天星酒造は3年前の2022年、ウイスキーの製造免許を取得し、菱田蒸溜所として新たにウイスキー事業を始めたのです。

天星酒造(菱田蒸溜所)・中原優生産本部長
「焼酎作りの経験はあるが、全てにおいて正直なところやったことがない。チャレンジしているところ」

このように今、県内ではウイスキーを製造する焼酎メーカーが相次いでいます。

このグラフはウイスキーの製造免許を取得している酒蔵の数です。

2014年には本坊酒造のひとつのみでしたが、5年後には7となり、最新のデータとなる2023年には13に増え、何と全国1位となりました。

なぜ鹿児島でウイスキーの作り手が増えているのか?

その背景のひとつが国内のウイスキー需要の高まりです。

1980年代後半からウイスキーの出荷量は下降線をたどりましたが、ウイスキーをテーマにしたNHKの朝ドラやハイボール人気を受け、2007年から出荷量が上昇しています。

さらにもうひとつ。

ウイスキーと焼酎の共通点です。

BAR小原・小原紀幸さん
「(焼酎メーカーは)発酵、蒸留の技術があるのでウイスキーを作ろうと考える。『鹿児島から世界へ挑戦したい』ということも聞いている」

酒の種類でいえば、ウイスキーと焼酎は、同じ蒸留酒。

原料は麦と芋で違えど、蒸留して作るという点で一緒なのです。

天星酒造ではなんと蒸留器の一部に焼酎と同じものを使っていました。

天星酒造(菱田蒸溜所)・中原優生産本部長
「(ウイスキー、焼酎)両方とも使える蒸留器。今この時期ははウイスキーなんですけど、これから焼酎用に切り替わります」

Q.同じ蒸留器で大丈夫ですか?
「水で洗浄をかけるので問題ない」

こちらは熟成樽の貯蔵庫。

大崎町のお隣、志布志市の廃校の体育館を利用しています。

天星酒造初となるウイスキーは2026年秋以降に販売される予定です。

天星酒造(菱田蒸溜所)・中原優生産本部長
「3年後しか評価いただけないが、その分、期待と夢がある。不安もありますけど」

鹿児島のウイスキーの歴史を作った老舗の蒸留所。

焼酎の製造技術を生かし、新たにウイスキーで世界に打って出る焼酎蔵。

鹿児島のウイスキー事情に詳しい小原さんは今後に期待しています。

BAR小原・小原紀幸さん
「それぞれの蒸留所が自分たちのウイスキーを追求する中で、いつか鹿児島が(ウイスキーで有名な)スコットランドのアイラ島のように世界から注目される土地になれば」

Q.その可能性はありますか?
「可能性は非常にあると思う」

焼酎王国、鹿児島の酒蔵が取り組むウイスキー作り。

それぞれの特徴を生かした「鹿児島ウイスキー」に注目です。

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