山の中でサーモン1000匹が泳ぐ?電気工事会社の男性が挑む「陸上養殖」の奇跡【鹿児島】
2026年6月25日(木) 17:00

いけすでサーモンを育てる中村匡成さん
鹿児島・大隅半島の山の中に、約1000匹のサーモンが泳ぐいけすがある。海でも川でもなく、山中の湧き水を利用した陸上養殖だ。「小さいころから憧れを持っている魚だった」と語るのは、鹿屋市で電気・水道工事会社を経営する中村匡成さん。祖父の家の近くに湧き出る冷たく甘い水と、サーモンへの長年の憧れが重なり、2025年5月、地域を元気にするための新たな挑戦が始まった。
「隅から隅まで、大隅から世界へ」

中村さんが育てる『トラウトサーモン』
中村さんが経営する会社の名前は「スミカラ」だ。その名には二つの意味が込められている。
「お客様の暮らしの中で困っていることを隅から隅まで解決したいということと、あともう一つは大隅から世界へ発信できる会社になりたい」
電気工事や水道工事を手がける地域密着型の会社として歩んできたスミカラが、5月から新たに取り組んでいるのがサーモンの陸上養殖である。いけすの中を元気に泳いでいるのは、体長約20センチのトラウトサーモン。一般的な鮭とは異なり生食が可能で、淡水・海水いずれでも育てられる品種だ。現在、二つのいけすに合計約1000匹を飼育している。
祖父の家の湧き水が、すべての始まり

養殖を支える豊かな湧き水
なぜ、工事会社の経営者がサーモン養殖に踏み出したのか。そのきっかけは、幼少期の記憶にさかのぼる。
「じいちゃんの家がすぐ近くにあって、小さいころからじいちゃんの家に遊びに行くと、ここの水をこの辺の人たちは飲み水で使っている。この水がすごく冷たくて甘くておいしい」
養殖場がある土地に湧き出る水は、地域の人々が古くから飲み水として親しんできた水源だ。中村さんはその豊かな水資源を目の当たりにしながら育ち、「この水を使って地域活性化の一つになるようなことをスタートできたら」と構想を温めてきた。
もう一つの動機は、魚への純粋な愛着だ。「小さいころから魚が好きで、魚取りとか魚釣りとかずっとしてきた。サーモンはこっちに鹿児島にいない魚ということで、すごく憧れを持っている魚ではあった」と中村さんは振り返る。




















































































































