「人生100年時代」と言われる現代。その折り返し地点で真打ち昇進を果たす落語家がいた。
春風亭柳雀(しゅんぷうていりゅうじゃく)(52)。
本名、溝口摂(みぞぐち せつ)。鹿児島育ち。
かつては大手IT企業に勤務するエリートサラリーマンだった。しかし、サラリーマン生活に疑問を持ち、2008年、37歳の時に落語家へ転身。コツコツとチカラをつけ、二つ目に上り詰めた時、若者や女性から絶大な支持を集める落語家・講談師のユニット「成金」に所属した。
神田伯山(かんだはくざん)、桂宮治(かつらみやじ)、柳亭小痴楽(りゅうていこちらく)、瀧川鯉八(たきがわこいはち)、昔昔亭A太郎(せきせきていえいたろう)など11人、今をときめく若手の噺家(はなしか)の中にたった一人、中年の落語家がいた。
そして、50歳、真打ちに…。
2023年、秋。故郷で舞台に上がった。小学生の時、母に連れられ、初めて落語を見た、同じ場所だった。
いろいろな思いが走馬灯のようによみがえる。“後悔なんてありません。”また、十八番の人情話が始まった。
サラリーマンを辞めて挑んだ落語家への道、その物語は今という厳しい時代を生きる人々への応援歌だ。
【スタッフ】
ディレクター: 牧 祐樹
制作・著作 : KTS鹿児島テレビ・TNCテレビ西日本