番組表
ON AIR

ニュース・スポーツ

山形屋が経営悪化 金融機関の支援受け再建計画に着手・鹿児島市

2024年5月10日(金) 19:38

鹿児島市に本社を置く老舗百貨店の山形屋が経営悪化で、約360億円に上る負債を抱え、金融機関の支援を受け、経営再建に乗り出すことが分かりました。

記者
「鹿児島市の老舗百貨店山形屋です。経営が悪化したため、金融機関の支援を受けて、経営再建に乗り出したということです」

山形屋によりますと、近年の大型商業施設の進出に伴う競争の激化に加え、耐震工事などの設備投資や、新型コロナウイルス感染拡大の影響などで経営が悪化し、グループ17社の2023年2月決算での負債総額は、約360億円にのぼるということです。

このことから山形屋では17の取引金融機関との協議を重ねた上で、金融機関の支援を受け経営再建に乗り出すことにしたということです。

事業再生の方法として選んだのは、事業再生ADRという手法で、経済産業省の認可を得た第3者機関が関与し、収益性の確保と資本の強化、持続的成長を目的とした事業再建計画を策定するとしています。

これに伴い、山形屋はメインバンクの鹿児島銀行などから、3人の出向を受け入れるということです。店舗での営業はこれまで通り行われます。

1917年に本格的に百貨店業をスタートさせた山形屋。
毎回多くの人が訪れる北海道物産展の開催など、鹿児島を代表する老舗デパートの経営危機に、買い物客からは驚きの声が聞かれました。

買い物客
「まずびっくり。まさか山形屋さんがと思って」
「なくならないでほしいです」

過去に山形屋で勤務
「心配していた。OB会があるがそれも中止になった。大変なのかな」

買い物客
「売り場に行っても昔みたいではない。山形屋は私にとっては大事」
「びっくりです、初めて聞いたから。まさかという感じ。三越や伊勢丹のグループに入るしかないかも。もし本当だったら」

鹿児島を代表する老舗デパートの経営悪化のニュースに驚いた方もいるかもしれません。

経営が悪化した企業がとる事業再生の方法について整理します。

まず大きく2つ法的整理と私的整理に分けられます。
法的整理は裁判所が関与する倒産手続きのことで、主なものでは「民事再生」や「会社更生」といった方法があります。

一方、今回、山形屋が選択したのは私的整理の方で、裁判所は通さない債務整理の方法です。具体的には「事業再生ADR」という手続きで、経産省の認可を受けた第三者が関与するもので、メリットとしては事業を継続できることや手続きの迅速性などが挙げられます。

新型コロナの影響から歴史的な物価高騰など、時代の変化に百貨店業界も大きな影響を受ける中、山形屋が今後、どのように事業再生の道筋を示すのか注目されます。

過去の記事